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★【ニュースの核心】「打倒安倍」に燃える枝野氏、でも「語るに落ちた」…野党お得意の“ブーメラン”全開(長谷川幸洋 ZAKZAK)&財務省の間違った消費増税分の利用?「消費増税に財界が賛成のワケ 社会保障目的税化は邪道も…保険料は労使折半で企業負担」(高橋洋一ZAKZAK)(若干書き起こしメモ)

★【ニュースの核心】「打倒安倍」に燃える枝野氏の矛盾 野党お得意の“ブーメラン”全開(長谷川幸洋 ZAKZAK)




立憲民主党の枝野幸男代表が、憲法改正を目指す安倍晋三政権批判のボルテージを上げている。



 臨時国会では10月29日、代表質問に立って「総理、憲法とは何か、一から学び直してください」と説教した。かと思えば、11月4日には、早稲田大学で講演し、安倍首相を念頭に「ちゃんと勉強していない政治家が語るのが教育と憲法だ」と語った。



 弁護士資格を持つ自分こそが憲法について語る資格のある政治家であって、素人の安倍首相は「黙っていろ」と言わんばかりである。まさに「上から目線」そのものだ。



 だが、「語るに落ちた」とは、これではないか。



 かつて枝野氏は堂々たる憲法改正論者だった。『文藝春秋』2013年10月号に改憲私案を発表し、集団的自衛権行使はもちろん、国連平和維持活動(PKO)や、国連のもとでの多国籍軍への自衛隊参加まで憲法に明記するよう提言していたのだ(=枝野氏は昨年12月、『私のかつての私案は集団的自衛権の行使を容認していません』と語っている)。



 枝野氏が「一から憲法を勉強した」専門家を自認するのであれば、なぜ主張をガラリと変えたのか、しっかり説明してほしい。そうでないと、国民は枝野氏のような専門家でさえも「180度、意見を変えてしまうのだ」と思って、とても信用できなくなる。



それでも、百歩譲って「政治家が主張を変えるのは自由」と受け止めたとしよう。私が見逃せないのは、代表質問での次の部分だ。



 枝野氏は「あらゆる権力は憲法によって制約、拘束される」と述べたうえで、「縛られる側の中心にいる総理大臣が先頭に立って旗を振るのは論外」と訴えた。



 そうだとすると、憲法改正は「権力を縛る側」が言い出すべきなのか。それなら、自分たちこそ積極的に改憲論議を盛り上げたらどうか。



 もっと重大な問題がある。



 立憲民主党が「権力を縛る憲法」を結党の精神に掲げた政党であるなら、彼らは絶対に政権を握れないし、握ってはならない。権力を縛るのが自分の使命なのに、自分自身が権力を目指してどうするのか。原理的に矛盾している。



 安倍首相を批判した「権力者は憲法改正を唱えてはならない」という理屈は、そのまま「権力を縛る側は権力を握ってはならない」という話になって、自分たちに戻ってくるのだ。まさに、野党お得意の「ブーメラン」全開である。



 なぜ、こんなバカバカしい話になるか、と言えば、そもそも立憲主義の理解が間違っているからだ。「権力を縛るのが立憲主義」という考え方は、日本の左派憲法学者の理解にすぎない。



 私は、国民と権力(政府)の信託契約関係こそが立憲主義と考える。それは、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるもの…権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」という憲法前文に示されている。



 枝野氏はゆがんだ憲法理解を前提に政党を立ち上げた。そのツケは「けっして政権獲得を目指せない」という自己矛盾になって、まさに彼らの手足を縛っているのだ。



★「消費増税に財界が賛成のワケ 社会保障目的税化は邪道も…保険料は労使折半で企業負担」(高橋洋一ZAKZAK)



消費税をめぐっては、「社会保障目的税化」が世間一般でも正しいと信じられているようだ。社会保障を消費税で賄うことに問題はないのか。



 結論から言えば、社会保障論からみて間違いだ。実は、1990年代までは大蔵省(現・財務省)も「消費税は一般財源であり、社会保障目的税としてはいけない」という正論を主張していた。



 しかし、99年の自民、自由、公明党の連立時に、大蔵省が当時の小沢一郎・自由党党首に話を持ちかけて、「消費税を社会保障に使う」と予算総則に書いた。これに対する批判の意味も含めて、政府税制調査会の2000年度の税制改正に関する答申では、「諸外国においても消費税等を目的税としている例は見当たらない」といった記述がある。



 ついでにいえば、消費税は地方税とすべきだ。消費税は安定財源であるので、分権が進んだ国では地方の税源であることが多い。国と地方の税金について、国は応能税(各人の能力に応じて払う税)、地方は応益税(各人の便益に応じて払う税)という税理論にも合致する。



 いずれにしても、社会保障論からみれば、消費税を社会保障目的税化するのは正しくない。社会保障は助け合いの精神による所得の再分配なので、国民の理解と納得が重要だ。



 というわけで、日本を含めて給付と負担(保険料)の関係が明確な社会保険方式で運営されている国が多い。



保険料を払えない低所得者に対しては税が投入されているが、日本のように社会保険方式といいながら税金が半分近く投入されている国は珍しい。税の投入が多いと、給付と負担が不明確になり、社会保障費がドンドン膨らむ恐れが出てくる。



 こうした社会保障論からみても、消費税を社会保障目的税にするのではなく、保険料で賄うほうが望ましい。



 保険料は、究極の社会保障目的税ともいえる。保険料といっても、その法的性格は税と同じで強制徴収であり、滞納すれば財産没収などの滞納処分を受けるのは世界共通だ。このため、保険料とはいえ、世界では社会保険「税」として、税と同じ扱いである。



 ただ、今の日本は、世界の常識になっている「歳入庁」がないという先進国の中で珍しい存在だ。税・保険料の徴収インフラができていないので、徴収漏れも多く想定されており、これが社会保障の財源不足や不公平感にもつながっている。



 財務省は、社会保障財源の確保について、歳入庁創設による保険料という正道ではなく、消費税の社会保障目的税化という邪道を進めた。



 実は、経済団体が消費増税に賛成している理由についても、鍵はここにある。保険料は労使が折半するので企業負担もあるが、消費税は企業負担がないと経済界は考えて、消費増税に前向きなのだろう。



 その上に、財務省が消費増税と法人税減税のバーターを持ち出すので、さらに経済界は消費増税に前のめりになっている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)



参考 明日の日本を予測する技術 「権力者の絶対法則」を知ると未来が見える!
長谷川 幸洋   (著)
Amazonレビュー 一部抜粋

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1 公開情報~


公開情報を読みとき、幾つかの衆院解散を見事に予想を的中させていて、2014年当時は10%への消費増税を断行するか、最大の焦点になっていて、菅官房長官の定例記者会見で「国内総生産(GDP)の2014年7~9月期の速報値を見て判断する」と発言した。この一言で私は「解散だ」と確信した。


噂に踊らされず、政権の本心を突き止めようと思ったら、首相や官房長官を直撃するしかないが、解散話が世間に知れ渡っていない段階で記者が直撃したところで、相手は本心を明かすはずもない、結局、永田町を飛び交う解散にまつわる「極秘情報」など無意味であり、それよりも、世論調査に表れる国民の声のほうがはるかに重要であり、公開情報で政治の展開を予想できる。


2012年11月に解散に追い込まれた民主党の野田佳彦(よしひこ)政権では、ぬじれ国会で、解散するか任期満了選挙を迎えるか、決断を迫られていた。野党の自民党は年内解散を求め、応じなければ特例公債法案(赤字国債の発行を認める法案)に賛成しない方針を通告していて、この法案が成立しなければ、予算案が成立しても歳入欠陥になり、予算の執行できなく、つまりは政権がおしまいになる。「政権運営の最大の肝は予算編成にある」予算を編成できない政権は倒れる以外ない。


安部首相は2017年5月3日の憲法記念日に開かれた「第19回公開憲法フォーラム」にビデオ・メッセージを寄せて、独自の憲法改正案を公表し、それは憲法9条第一項(戦争放棄)と第二項(戦力不保持と交戦権の拒否)は現在のままにして、新たに自衛隊を明文化する条文を追加する内容だった。


しかし、自民党は2012年、九条について、二項を新設して「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」という草案をまとめていた。


国防軍のような提案では、与党である公明党と、肝心な国民の賛意が得られないと判断した、それは実は、世論調査の結果からで、2017年の憲法改正の調査では、賛成は四割強で、反対・
「どちらとも言えない・分からない」の中間派を加えて五割強になり、結果は「否決」となる可能性が高い。憲法改正の問題は、「失敗は絶対に許されない」仮に失敗すれば、安部政権の退陣になる。この政権で失敗すれば、次の政権があえて挑戦しようとは思わなくなる。憲法改正とは、それくらい重たい課題である。


2006年に成立した第一次安部政権は、公務員制度改革だったが、渡辺喜美大臣は、当時の的場順三(まとばじゅんぞう)・内閣官房副長官(事務担当)に、「公務員制度改革に本気で手をつけるなら、霞ヶ関で倒閣運動が起きる」と大臣を脅している。その後、「消えた年金5000万件問題」で、当時の民主党は、政権追求を強めた。


当時の社会保険庁は、日本年金機構に衣替えしたが、自分たちのひどい仕事ぶりを水面下で民主党やマスコミに流し、自分たちのリストラや組織改革をつぶすため、政権を道連れに自爆テロを敢行(かんこう)したのである。


2007年9月、首相辞任という形で崩壊した。根本的には、公務員制度改革に対する官僚の抵抗が最大の理由である。この経験から、安部政権の中枢は、「できないことはやらない、できることだけを少しずつやる」という教訓「政権運営の絶対法則」を学んだ。


実現しそうにない憲法改正案に固執するのは、「形を変えた護憲論者」である。理想に固執することで、現状維持になってしまう、憲法改正は一度成功すれば、次のチャンスがある。


2 スキャンダル~


この章ではモリカケ問題を取り上げているが、月刊Hanadaに、前愛知県知事・加戸守行(かと・もりゆき)氏が、予稿した記事を紹介している。


加計学園の加計孝太郎理事長が2007年に日本獣医医師会に挨拶に行ったその際、日本獣医師会の北村直人顧問は、「だれか政治家に友達はいるか」と尋ねられ、加計氏は「安倍晋三」と答え、10年後に安倍首相と加計氏がゴルフをしている写真を北村氏が文科省に持ち込んでいる。それを受けて、前川喜平・前事務次官は、先入観を持ち、政権に反撃の狼煙を上げた。すべては彼の思い込み、妄想、それに野党とメディアが乗っかってしまった。


獣医学部に限らず、既存の業界に参入しようとすれば、既得権益者たちから猛烈な抵抗に遭う。


3 日本経済の実力~


安部政権の経済政策を改めて確認すると、「安定した経済成長の実現」であるが、野党勢力は、「格差是正」を目指していて、経済政策における権力者の絶対法則は、「まずは経済成長、次に格差是正」であり、成長の源泉は民間の企業活動にあり、働く人々の暮らしが平等になったところで、企業が元気になるわけではない、どのように企業を元気にするか、それが成長の根本問題である。


アベノミクスが、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の三本の矢で、この三つは、各国が採用している「ごく普通の経済政策」である。


ただ、共産党が支配する中国のような国は別で、共産党が気に入らなければ、いつでも企業を潰すことができ、逆に無限に支えることもできる。


成長戦略には、構造改革、具体的にいえば、規制改革が必要になり、規制改革の目的は、企業が自由に活動できない分野、農業や介護施設、保育所等には、資本や役員構成などの規制があり、完全に自由に参入できなく、そういう規制をできる限り取り払って、やる気のある企業の参入を促す。それが規制改革、成長戦略、構造政策の核心である。その意味で三本の矢という政策は、安部政権が終わってしまっても、日本が自由主義と市場経済を維持する限り、続ける以外にない。


民進党はモリカケ問題に乗じて2017年6月、2017年6月、国家戦略特区の廃止法案を出した。労働組合の支援を受けた彼らは、「企業競争によって経済全体が活性化し、日本経済の生産性が高まっていく」などという話はどうでもよく、自分の職が守られてさえいれば、それでいい。そんな労組を指示母体とする民進党は、隙あらばアベノミクスの規制改革を潰してやろうと狙っていた。


安部首相は、なぜ「次は必ず増税する」かのような説明を繰り返しているか、ここが権力の秘密で、それは、財務省を敵に回さないためで、財務省は霞ヶ関の中でも特別な権力を握っている最強の役所で、いざとなれば、検察と連携して脱税で逮捕もできる。彼らは「国税庁」と名乗っているが、実態は「経済警察」である。


マスコミは、彼らの「特ダネ」を与えて、記者は財務省の応援団になっていく。そんな記者たちが書く「日本の財政が大変だ」話は、まったくデタラメと言って差し支えない。


日本の最強官庁が目指す消費増税を延期しようとすれば、いくら安部政権でも猛烈な抵抗に遭うのは目に見えている。そんな財務省と無用のバトルを避けるため、「次は増税します」といい続けている。「平時に無用な戦いはしない。強い相手と戦うときは、最後の瞬間に仕掛ける」もう一つの「権力者の絶対法則」が導かれる。


4 野党と左派マスコミ~


なぜ、一部のマスコミは、左に偏向してしまったのだろうか?根本的な理由は「野党が弱くなってしまったからだ」と見ていて、安部政権が続く限り、そして野党に政権交代の可能性が出て来ない限り、続くだろう。


政権交代の鍵を握っているのは、立憲や国民といった旧民主党系の野党ではなく、実は共産党(共産)であり、共産党は、憲法9条の改正反対はもとより、日米安保条約の破棄と自衛隊の解消、天皇もホンネでは反対で、そんな野党は共産しかいない。


自民と連立政権を組む公明党の合計は2552万票、希望、立憲、共産の野党三党の2515万票とほぼ拮抗し、言い換えれば、野党は共産を仲間に加えないと、いい勝負にならなく、鍵を握っているのは、実は共産なのである。


共産がそんな政策に大転換を図るなら、共産を加えた連立政権構想に大きな抵抗がなくなり、共産が日本労働党に生まれ変わり、日米安保も自衛隊も容認する。現在の共産党、志位和夫(しいかずお)委員長の時代には、大転換はないが、小池晁氏が委員長になったら可能性があるかもしれない。


これを裏返して言えば、野党一体化が遠のき、結果的に自民党政権が続くことになる。


立憲民主党が政権を握る日はなく、簡単に振り替えれば、希望への集団移転を承認し、「移転交渉」を始めてみたら、希望の小池百合子代表が憲法改正や安全保障法制に賛成できない人は「排除する」と明言し、民進左派は移れなくなり、それで枝野氏が急遽、立憲を立ち上げた。それが結党の経緯である。


立憲に違和感を抱くのは、なにより枝野氏と立憲の憲法改正に対する姿勢で、立憲民主党は憲法改正、9条改正に反対している。ところが実は、枝野氏はかつて九条改正に反対どころか、まさしく正面から九条改正を唱えた改憲論者だった。いったい、どうなっているのか、枝野氏と立憲にとっては、「安部政権に反対する」のが最重要課題があり、彼らにとって「安部政権打倒」が最優先事項なのであり、政権打倒のためなら簡単に態度を翻す、「彼らの信念はその程度なのか」と、判断せざる得なく、これが彼らを信用できない理由である。


憲法は、「国政は国民の信託契約による。それで権力は国民の代表者が行使し、福利は国民が享受する。これが憲法の原則だ」と理解していて、「権力を抑制するのが立憲主義」と立憲民主党は読み解釈の行き過ぎで、「権力を敵視する偏った解釈」、左翼にピッタリで、立憲はけっして幅広い国民が指示する国民政党にはなり得ないだろう。多くの国民が「憲法は権力を抑制するもの」と考えるとは限らないからだ。


本質的に「自分たちは政権の抵抗勢力で、それ以上ではありません」と主張しているのである。彼らのロジックに従うのでなら、彼らは絶対に権力を握れない。


また、経済政策でも、枝野氏は「金融引き締めで金利生活者が高い金利を受け取れるようになれば、消費が伸びる」と、こうなると、「トンデモ経済論」で、経済成長をあきらめている政治家に対し、血税を払って政権を委ねるほど国民は甘くも愚かでもない。


5 外交・安全保障の~


日本はいま中国と北朝鮮の脅威にさらされていて、この現状認識が日本の国家戦略を考える出発点である。


日本は資源がなく、他国と貿易をしながら生きていくほか道がなく、いまや世界のどけを見ても、自国だけで完結するような国はない。


アメリカでも、iPhoneの部品は日本や台湾制も多く使われ、中国で組み立てられていて、米国だけで完結しているわけではない、トランプ政権は中国と貿易戦争を始めたが、iPhoneのような製品は注意深く、制裁関税対象から外している。


「日本は中国と北朝鮮の脅威に単独で対抗できるか」という話になり、戦う前に国力比較をするのは当然で、中国の国土は日本の25倍、人口は10倍、中国のGDPは、12兆ドル、日本は4兆8000億ドル、日本の2倍以上で、中国の軍事費(2017年)は、2280億ドルと推計され、これに対して日本の防衛費は454億ドルで日本の約五倍になる。したがって中国に単独で対抗はできなく、日米同盟によって、中国と北朝鮮に対抗している。


また、中国と北朝鮮の脅威がある限り、ロシアとも、何があっても、仲良くする以外になく、対ロ外交の絶対条件になる。


北方領土問題では、米国との日米安保条約と付随する日米地位協定によって、基本的には日本のどこでも、米国が望むところに米軍基地を置くことができ、ロシアが北方領土の一部でも返還すれば、その島には同時に日米安保条約(第六条)が適用され、2016年12月にプーチン大統領が来日した際に、「日本に歯舞(はぼまい)諸島・色丹(しこたん)島を返還した場合、日本は米軍基地を置くのか」と尋ねて、日本の谷内正太郎・国家安全保障局長は、「可能性はある」と答えている。


現状に目を凝らせば、安部首相とプーチン大統領の関係が良好で、トランプ大統領とプーチン大統領の関係も好転する気配があり、日米ロの信頼関係構築なくして、北方領土が返ってくる可能性がないのは確かである。


韓国と日本は2015年12月、慰安婦問題に関し政府間で合意し、この合意を受けて、日本は韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」に10億円を拠出したが、文在寅(ムンジェイン)政権に変わり、事実上、慰安婦合意を反故しようとしているのは明らかである。


日本は日韓通貨スワップ協定の再締結に関する協議の無期限中断を韓国側に通告していて、韓国は恒常的に米ドル不足に悩まされており、韓国ウォンの信用も乏しく、いざというとき、日本が国際的に信用されていて、円を融通しなければ、韓国はウォンが売られ、金融危機に陥る可能性がある。


国の行く末を預かる権力者は、どんなにロシアや韓国に腹立たしい思いを抱えていたとしても、自国を取り巻く現状をしっかり分析して、同盟国とともに脅威を抑止することを考える、これが外交と安全保障に関わる「権力者の絶対法則」である。


6 北朝鮮・韓国を中国から~


なぜ、北朝鮮が核開発を進めたかについて、朝鮮戦争でダグラス・マッカーサー将軍が原爆の使用を検討した経緯が、米国に対抗するには「核兵器が必要」と認識したかもしれない。現在では、北朝鮮が核保有を目指すのは「米国の脅威から金体制を守るため 」というのが通説になっている。


ジョージ・ブッシュ(父)政権の時(1991年12月)、アメリカは韓国から全ての核を撤去した。


なぜ、北の核を認めないの第一の理由は「彼らがテロリスト国家である」、
第二に、「別なテロリストに核が流出する懸念」第三に、「韓国や日本も核を持たざるを得なくなる可能性がある」


当初から「文政権は事実上、中国とロシアの手先になっている」と見ていて、中国とロシアの北朝鮮問題に対する基本スタンスは、「ダブル・フリーズ(二重の凍結)」と呼ばれ、「米国は韓国との合同軍事演習を中止する」、その代わり「北朝鮮は核とミサイル実験を中止する」という案で、文政権は、その直前に、まったく同じ提案を発表していて、加えて、米国が強く求めていたTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備でも、「前政権が決めた話で、オレは聞いていない」という態度で先送りしていて、THAADは中国が強く配備に反対していたシステムで、レーダー探知範囲が1000キロに及び、北京のすぐ近くまで監視される形になるからだ。


韓国には、観光客を含めて常時、六万人といわれる日本人がいて、米軍が北朝鮮への軍事攻撃に踏み切れば、彼らは直ちに危険にさらされ、安部首相としては、なんとしても退避問題で文大統領の協力をとりつける必要があったが、文大統領は、軍事攻撃を防止するために、在韓邦人を事実上、「人間の楯」に使おうとした。


この局面で日韓が喧嘩を始めれば、喜ぶのは北朝鮮で、文大統領の裏切りが分かっていても、喧嘩をするわけにはいかなく、なぜなら、中国と北朝鮮こそが「本当の脅威」であるからだ。


マイク・ペンス発言は、「最大の圧力と対話の同時進行」と説明していて、「北が方向転換する兆しがあるかどうか、それを見極めよう」と、だが、北は動かない。逆に、動いたのは米国で、トランプ大統領は、2018年2月23日、オーストリアのマルコム・ターンブル首相と会談後、「制裁が効かないのなら我々は第二段階に進む、それは非常に手荒で、世界も不幸になるだろう」と述べて、すばり、「軍事攻撃」を示唆した。


トランプ発言の翌日、韓国を訪問していた金英哲(ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が、文大統領との会談で、「米国と対話する十分な用意がある」と表明した。


トランプ大統領は米朝首脳会談を受け入れる一方、対話派と目されたレックス・ティラーソン国務長官を突然、更迭し、CIA長官を務めていた強硬派のマイク・ポンペオ氏を向かえ、ハーバート・マクマスター大統領補佐官も更迭し、強硬派のジョン・ボルトン元国連大使を後任に据えた。


正恩氏はこの人事を見て「米朝会談が不調に終われば、米国は軍事攻撃に踏み切るのではないか」と震え上がった。そのために、中国に頭を下げてでも冷えきった関係を修復し、中国を味方に付けて軍事攻撃を回避しようとしたのである。


北朝鮮とロシアの関係は、実は中国よりも深く、それは建国当時に遡り、北朝鮮という国を建国したのは、旧ソ連である。北朝鮮がロシアの支援を求めたのは間違いなく、北朝鮮は、ロシアに4月、李容浩(リヨンホ)を派遣した。


その直後の4月14日、米国は「シリア政府軍が市民に対して化学兵器を使用した」という理由で突然、シリアを巡航ミサイルで空爆した、これは、北朝鮮に対する警告だった。


正恩氏は、5月7日~8日の両日、習金平国家主席と二度目の中朝首脳会談を開いた。同じタイミングで、トランプ大統領はイランとの核合意破棄を発表した。離脱に込めたメッセージは明白で、「イランも北朝鮮も同じだ。秘密裏に核開発を続けているなら、オレは黙っちゃいないぞ」という話である。


米国がいったんキャンセルした米朝首脳会議が復活していく経過を確認すれば、トランプの交渉術がよく分かり、
「コワモテ(強面)」と「ヤサガタ(優形)」の一人二役の使い分けで、会談復活は「出たとこ勝負」ではなく、大統領はそうやって一人二役を演じながら、交渉の主導権を握ろうとしていた。


7 米中「新冷戦」~


2018年6月12日、シンガポールで金正恩朝鮮労働党委員長と、史上初の米朝首脳会談があり。
「朝鮮半島の完全非核化」「板門店宣言」が盛り込まれ、トランプ大統領は、米韓合同軍事演習を中止する方針を明らかかにした。


※『板門店(はんもんてん)宣言』2018年4月27日、南北朝鮮の境界にある板門店で会談し、南北が軍事境界線一帯で「あらゆる敵対行為を中止(中略)今後、非武装地帯を実質的な平和地帯にしていく」※


北朝鮮はアメリカに対して、板門店宣言を再確認を採用するなら、米軍基地に対する核査察を要求、また、米軍基地自体の撤去を求めてくるだろう。


南北朝鮮は終戦を宣言して、平和協定が結ばれると、直ちに在韓米軍の撤去問題が浮上し、北朝鮮はまさに在韓米軍から追い出すために、朝鮮戦争の終結を目指した。


南北平和協定を結べば、次に統一に向かって主導権争いが起き、「核力量と莫大な兵力をもつ北朝鮮が非武装地帯の前にいる状況で、米軍が離れて南北間にニセの平和協定を締結される場合、北朝鮮は理念浸透や軍事攻撃を通じて韓国を占領するだろう」(元在韓米軍司令官談)


在韓米軍が撤退することは、日本にとって、「赤い朝鮮半島」さらに、潜在的にはロシアも日本に立ち向かう、東アジアのパワーバランスが根本から変わる。これこそが非核化問題の裏側にある。もう一つの重要課題なのだ。


米韓交渉の構造を考えると、入り口は北朝鮮の核・ミサイルの廃棄で、一方、出口は、何か?それは北朝鮮に対する国連制裁の解除と経済支援であり、要するに、カネである。


非核化の経費について、「韓国と日本が大規模な支援をするだろう」と、一方、「日本人拉致問題を提起した」と、「完全な非核化を実現すれば経済制裁は解くが、本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」「安部首相は拉致問題を解決しない限り、支援は応じない」との旨を金氏にトランプ大統領は述べている。すなわち、拉致問題が交渉全体の構図の、交渉のど真中に躍り出たのだ。


トランプ大統領は2018年6月12日の米朝首脳会議を終えた、三日後の15日、中国に対して棚上げしていた500億ドルの制裁関税を承認した。


トランプ政権の中国観は、米国と世界の技術と知的財産を脅かしているか、
すなわち、物理的窃盗やサイバー攻撃を使った陰謀、偽造と著作権の侵害、外国企業に対する強制的な技術移転の要求、独占的地位を利用した輸出規制、米国の大学や研究機関への非伝統的技術収集者(産業スパイ)などの派遣、中国は政府として脅威であるだけでなく、社会全体が脅威である。(FBI長官の議会証言)一言で言えば、トランプ政権は中国を「国家的泥棒」とみなしている。


※中国による知的財産の窃盗は、毎年1800億ドルから5400億ドルにも上がっている※


話は2013年6月に遡り、習近平国家主席とバラク・オバマ大統領と初の首脳会談で、習は「大平洋を米中両国で分け合おう」と言っていた。オバマ大統領は、「日本は米国の同盟国であることを忘れないでほしい」と告げている。


その半年後、中国は、東シナ海上空に防空識別圏の設定を宣言した。米国は直ちにB52戦略爆撃機を飛ばして、当該区域の上空を通過させ威嚇し、中国のもくろみは失敗した。


中国が次に狙ったのが南シナ海で、2014年に人口島建設が本格化する。オバマ政権は2015年から海軍のイージス艦を南シナ海に派遣する「航行の自由」作戦を展開している。


習政権は「縄張り拡大こそが国益拡大」と信じていて、そんな考え方は、自由と民主主義を重んじる日本人とは、まったく違う。


8 憲法と左翼~


日本は中国と北朝鮮の脅威にさらされていて、ロシアの関係も、平和条約を締結する展望は、まだ見えない。韓国とも、安部政権は信用していなく、「消極的な無視」である。


米軍が日本から撤退したら、日本は三つの脅威に立ち向かわなければならなく、日本が自前で中国に対抗しようと思えば、少なくとも防衛費を4倍にしなければならない。2015年、安全保障関連法制を見直し、集団的自衛権の限定行使容認した。


次の課題は本丸の憲法改正で、世論調査を見れば、「一項と二項を残して自衛隊を明記する」という改正案は多くの賛成を見込めて、安部提案を著者は支持している。


戦争は、1928年のパリ不戦条約によって、初めて禁止され、1945年に調印された国連憲章でも明確に禁止されいるが、憲章第四二条(経済制裁や運輸通信手段の断絶によって不十分なときは、加盟国の陸海空軍を動員して、最終的手段として武力行使ができる)で、例外を認めていて、憲章五一条(他国から攻撃された国連加盟国は安保理が動くまでの間、個別的または集団的自衛権を行使して反撃できる)と、武力行使を容認していた。


国連憲章また、憲法の第九条一項は、は、「国家の主権としての戦争」を否定していて、日本の自衛隊は専守防衛に徹していて、他国から攻められたときに、必要最小限の範囲で反撃するだけだ。


1950年6月、朝鮮戦争が勃発し、日本に駐留していた米軍をすべて朝鮮半島に送り込んだ時に、当時の吉田茂首相は、「警察予備軍」を創設し、これが自衛隊の全身になる。米軍自身が「自衛隊が憲法第九条違反」と考えていなかった。


旧安保条約は、日本が「個別的及び集団的自衛権の固有の権利を有すること」を確認したうえで、「これらの権利の行使として」米軍基地を求めていた。安保条約は個別的か集団的かを問わず集団的自衛権を認めていた。


米国に基地を提供していること自体によって集団的自衛権の行使している。それが実態である。


終章
終章では、ある意味、日本の未来を予想していて、北朝鮮問題では、20年までに拉致被害者が日本に戻ってくる可能性がある。


また、北方領土問題では、「北方領土の米軍基地抜き返還」はあり得ない話でなく、すでにロシア軍が配備されている国後(くなしり)と択捉(えとろふ)は難しいとしても、2020年にかけて、歯舞(はぼまい)と色丹(しこたん)の二島返還が具体化する可能性はある。


次に、中国は、これまで米国の対中戦略は「関与(エンゲージメント)政策」が基本だったが、いまや「それは幻想であり、間違いだった」米国は「絶対に退かない」これは単なる経済戦争ではない。まず、貿易戦争は米国が勝利する。


中国は、米国に対して握った「最後の切り札」と言われている、「中国が保有している米国債を売却する」という観測は、根本的には、中国が米国債をいくら売ろうが、FRB(米連邦準備制度理事会=中央銀行)はドルをどんどん供給でき、いくらでも米国債を買えるため、中国は所詮、相手の土俵で勝負しているに過ぎなく、初めから勝てるわけがない。(ドルが米国の自国通貨であるからだ)


米国には、もっと強烈な手段もあり、中国が保有している在米資産を凍結することだ。


習近平国家首席が牛耳る中国は、「世界の覇権を握る」という「中国の夢」を掲げて、米国への対抗心をあらわにしてきたが、その実態といえば、米国のハイテク技術を盗み出し急速に発展を遂げたが、それで得た資金の多くは、敵であるはずの米国の国債を買って運用し、権力者たち自身も、蓄えたその秘密資産を米国に避難させた。つまり、世界制覇の夢は最初から最後まで、なにもかも「米国依存」なのだ。


米国が貿易戦争、金融と情報戦争でも攻撃に出ていくとすれば、中国が軍事力に頼って暴走する可能性があり、米中対決の行方は、これから日本と世界を揺るがす可能性がある。


2018年10月4日、米国のペンス副大統領は、ワシントンで講演し、まさに米中「新冷戦」の始まりを告げた。


もはや後戻りはできない。米中新冷戦という現実の下、日本は米国との同盟を堅持しつつ、冷静で複眼志向の外交戦を戦う覚悟が問われている。と締めている。





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著者の長谷川氏は「まえがき」で、これまで自身がコラムや記事で、首相の突然の辞任表明や衆議院解散、消費税増税の延期など、内外の重大局面でいくつも将来の展開を予想し、的中させてきたのは、公開情報を丹念に調べ、権力者たちの立場に置いて考え、更に周辺情報を取材した結果であると述べている。
日本のマスコミには、根拠のない思い込みや自分の願望に基づいた解説や予想が氾濫している。権力者がどう考えるかよりも、自分が願っていることを優先しているから、トンチンカンなのである。
「次の展開を予想する」には、自分も権力者の立場に身を置いて、情勢を判断しなければならないのである。


長谷川氏は、2017年9月15日にいち早く衆院解散を予想し、2014年11月の衆院解散も10月に予想した。筋道立てて考え、サインを正しく読み解けば、「これは解散になる」と予想するのは可能だったという。
2017年10月の衆院選前、安倍首相が解散を決断したのは、支持率の回復だった。政治家が最も気にしているのは国民である。国民の意見を無視して政治ができるわけがない。日本の政治を動かしている本当の主役は国民である。だから政治家は国民の動向に細心の注意を払っている。政治記者たちはこの点を理解しているようでいて、実は分かっていない。だから、首相や大物政治家たちが関わる政治、政策、政局の動向を見誤ってしまうのである。
長谷川氏は、2008年9月の福田内閣総辞職や、2012年11月の野田政権の衆院解散も事前に予想した。政権与党の内部から目に見えない形で反乱が起き、政権運営が困難になったからである。


安倍首相が世論の動向を見て重大な決断をした例として、長谷川氏は憲法改正問題を挙げている。首相は2017年5月3日に、独自の憲法改正案を公表した。それは憲法九条の第一項と二項はそのままにして、新たに自衛隊を明文化する条文を追加するというものだった。自民党の草案は、九条の二を新設して「国防軍を保持する」というものだったが、それでは与党である公明党と何より肝心な国民の賛意が得られないと判断したからである。
憲法改正賛成派が反対派を上回るようになったとはいえ、「どちらともいえない・分からない」と答えた人たちは、いざ国民投票となったら、反対に回る可能性が高く、結果は「否決」となる可能性が高い。そうなれば、安倍政権は退陣に追い込まれ、この日本は二度と憲法改正ができなくなる可能性が高い。
憲法改正は「絶対に失敗は許されない政治課題」である。国民投票にかけるからには「絶対に間違いなく改正できる」というところまで、国民の間に賛成派を増やさねばならないのである。
政治にとって重要なのは、「実際にやれるかどうか」、そして「結果を残せるか」である。これは、第一次安倍政権で公務員制度の改革に取り組んだ結果、霞が関の総力を挙げた反転攻勢を受け、消えた年金問題による内閣支持率低下が引き金になり、第一次安倍政権は崩壊した。公務員制度改革は正しい政策だったが、官僚の抵抗により失敗した。この苦い経験から、安倍政権の中枢は「できないことはやらない。できることは少しずつやる」という教訓を得たのである。
国防軍提案の方が理想的とはいえ、自衛隊明記案の賛成が増えているのは間違いなく、実現性が増したのは確かだった。最初の挑戦で理想的な形に改められなくても、二度三度と改正を提起すればいい。憲法改正とはそういう話なのだ。


安倍政権を批判する勢力は野党と左派マスコミであり、なかでも左派マスコミは、めっきり衰えた野党以上に力を持っている。彼らは、客観中立や公平性といった建前をかなぐり捨てて、政権批判に血道を挙げている。以前はこれほど偏向してはいなかった。彼らの偏向が加速した根本原因は「野党が弱くなってしまったからだ」と、長谷川氏は見ている。野党の支持率は、全部合わせても10%程度に過ぎず、これではとても政権交代は望めず、そんな現実を前にして「オレたちが政権を打倒するしかない」と思い込んだのが、左派マスコミなのである。
いま野党で人気があるのは立憲民主党だが、長谷川氏は党代表の枝野幸男氏と党の憲法改正に対する姿勢に、違和感を抱くと述べている。党のホームページでは、「憲法改正、とりわけ九条改正に反対」と謳っているが、枝野氏はかつて九条改正に賛成の立場を表明していた。2013年の論文では、明確に集団的自衛権を容認しており、安倍首相が提案した改憲案よりはるかに過激である。
枝野氏は真正面から九条改正を唱えた改憲論者だったにもかかわらず、2017年の衆院選では「安保法制を前提とした憲法九条の改悪に反対」と主張している。枝野氏と立憲民主党にとっては「安倍政権に反対する」のが最重要課題であるからだろう。彼らにとって「安倍政権打倒」が最優先事項なのである。
憲法改正のような国の基本を決める重要案件でさえも、政権打倒のためなら簡単に態度を翻す。こういう変節を目の当たりにすると、彼らの信念はその程度なのかと判断せざるを得ない。これが彼らを信用できない理由の一点目だと長谷川氏は述べている。
そのうえ、彼らはホームページで「立憲主義」を「政治権力が独裁化され、一部の人達が恣意的に支配することを抑制する立場」と説明している。そうだとすると、立憲民主党は決して幅広い国民が支持する政党になり得ないだろう。多くの国民が「憲法は権力を抑制するもの」と考えるとは限らないからだ。
また「権力抑制が立憲主義」と主張するのであれば、彼らは権力に対峙してこそ存在意義がある。それなら、彼らは権力奪取を目指すことは出来ない。「自分たちは政権の抵抗勢力であり、それ以上ではありません」と主張しているからである。
経済政策を見ても、格差是正どころか悪平等を加速させるものや、経済成長をあきらめるものだったりする。
かつて55年体制の下で、社会党は自民党政権に対する抵抗勢力として存在意義を見出したが、政権を担うほどの政策構想力と実行力を示せず、消滅した。立憲民主党もやがて社会党と同じ運命をたどっていくのではないか。こうした権力者になれない人たちの「絶対法則」も確実に存在すると長谷川氏は述べている。


安倍政権が長期政権である理由が理解できた。保守陣営から見れば、煮え切らない態度や物足りないことも、敵を作らないために妥協した結果なのだ。
消費税を増税すればデフレに逆戻りすると分かっていても、日本の最強官庁である財務省を敵に回せば、大反抗に遭って政権が潰されかねない。だから「増税しません」と言わず、「次は増税します」と言い続けているのだという。無用な戦いはギリギリまで避けて、最後の瞬間に仕掛けるのも、「権力者の絶対法則」なのである。


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今年3月に東京新聞を退職した著者が、これまでの記者生活で培って来た知識と方法論を惜し気もなく披露し、「理想」ではなく、「現実」を出発点とする論理の組み立ての重要性・必要性を説く一冊。去年6月に、ケント・ギルバート氏との対談本を読んだ際には、「こともあろうに、東京新聞に、これほどしっかりした考えを持つ人材がいたとは。」と目を瞠り、この本へのレヴューに、「掃き溜めに鶴」などと書いたものの、正直、あの時点では、よもや著者がこれほどまでに高い見識を備えた方であるとまでは見受けることが出来ず、本書を読みながら、自らの浅見を繰り返し恥じた。わが国で唯一の良識ある全国紙と言っていい産経新聞社には、数多くの優れた社員が在籍していることは、つとに承知していたものの、恐らく著者ほどの逸材は、各新聞社全体を見廻しても、二人と得られないと思われる。
 わたくしは、予(かね)てより、平均的な日本人の発想からでは、国際政治の動きを正しく解釈することは出来ない、と感じて来た。それは、多くの日本人は、『世界の国々とは、出来る限り仲よくするべきだ。』と考えるのに対し、日本人以外の人間は、『如何にして自国に有利な展開に持ち込むか。』と考えるからである。人間は誰しも、自分自身を基準に他者の心中を推し量る。だから多くの日本人は、『世界の人々だって、日本と敵対したいと思っているわけではないのだろうから、日本が相手に好意を示せば、相手もまた同じ態度で接するはずだ。』と考える。この思い込みは、目の前の現実よりもはるかに強く、他国が日本に対して明らかに敵対的な態度を取る場面を目の辺りにしても、日本人はまだこの思い込みを疑わない。「百聞は一見に如かず。」などと言うが、強固な思い込みに囚われた人にとっては、「百見は、一つの思い込みに如かず。」なのである。そして、日本を亡ぼしたくて仕方がない反日左翼は、この日本人の特性に目を付け、「中国が軍事的な行動に出たとしても、決して刺戟するような対応を取ってはならない。そもそも、日米が軍事同盟を結んでいるから、中国からの攻撃を受けるのだ。」などと言い、戦争や軍事のことになると自動的に思考が停止するように飼い馴らされている多くの日本人の考えを巧みに誘導しているわけである。著者が繰り返し説くように、思考の出発点を、「理想」や「願望」ではなく、「今の日本の置かれた現実」に据えれば、今の日本がなすべきことは自明であり、それ以外の道を選択する余地はどこにもない。日本は現に、中国と北朝鮮の軍事的な脅威に曝されている。これに立ち向かうためには、当面、日米同盟を維持する以外にない。無論、ロシアと仲違いすることは、日本の立場を不利にするだけなので、避けなければならない。アメリカは、不正な手段で堂々と情報を盗む中国を敵視しており、トランプは、中国が経済的に破綻するまで貿易戦争を続けるつもりであるし、その先には、金融・情報戦が待ち受けている。これらに敗れた中国は、自国周辺で縄張りを拡げることに活路を見出し、尖閣諸島のみならず、沖縄全体を本気で奪いに来る。ならば、日本はどうするべきか。答えは一つである。自前で自国を護ることが出来る一人前の軍隊を持つことである(「いよいよとなれば、『正義の国』アメリカが、日本のために戦ってくれるはずだ。」と夢見ている人もあるであろうが、はっきり言って、アメリカのヒーロー映画の見すぎである)。
 安倍首相は、「政権運営の絶対法則」を心得、「現実」を出発点に考えを進めることが出来る、恐らく歴代の総理大臣の中でもただ一人と言ってもいいほど跳び抜けて鋭敏な感覚を備えた政治家である。そんな安倍氏が、『今の憲法では、国の護りは覚束ない。』と考え、憲法改正に執念を燃やすのは、道理である。とは言え、大きな改正は、大方の国民の理解を得られない。ならば、九条に自衛隊の存在を明記する、という小さな一歩から始め、そこから、改正の実績を積み重ねて行けばいい。これこそが、安倍氏の考えであり、だからこそ、同じく「現実」を起点に考える多くの保守思想の持ち主からの支持を集めているのである。
 自分の周囲半径5メートルで起きていることが関心の全てであるような視野狭窄な日本人よ。視野を拡げ、日本の周囲で現に起きている現実に目を向けよ。そしてそこを考えの出発点と定め、日本の針路に思いを巡らせよ。アメリカは、自分たちがこの先二度と日本と戦わずに済むために、憲法九条という悪い冗談のような条文を押し付け、占領期間中、日本人の戦意を奪う心理作戦を展開した。苟(いやしく)も、万世一系の天皇を戴き、悠久の歴史を持つ国に生まれた人間として、いつまであんな極悪非道で傲慢不遜な国にモルモットにされたままでいるつもりだ。祖国と同胞を護るために、国民の代表として敢然と戦うことは、最も崇高で最も賞讃されるべき行為である。現実に即して理路整然と国のことを考えている人々は、一人の例外もなく、憲法改正に賛成している。これに反対したり、懐疑的だったりしているのは、日本を亡ぼしたい反日左翼と、彼らの巧言にちょろりと騙されている思考停止状態の人間だけである。考えを進めよ。そして現実に目醒めよ。本書のような良書は、そのための有効な手掛かりを与えてくれるはずである。


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