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プライムニュース2017年11月「小野寺防衛相と考える トランプ歴訪と北朝鮮」「 櫻井よしこ×手嶋龍一 検証『トランプ歴訪』 」(若干書き起こしメモ)

2017年11月8日(水)
 小野寺防衛相と考える トランプ歴訪と北朝鮮


ゲスト
小野寺五典防衛大臣
田中均日本総研国際戦略研究所理事長
武貞秀士拓殖大学海外事情研究所特任教授




 韓国『晩餐会に元慰安婦』
 
秋元キャスター「今週は5夜連続で、トランプ大統領のアジア歴訪をとり上げていますが。3日目の今夜は、小野寺防衛大臣と朝鮮半島の専門家を迎えて、今日、韓国の国会で行われました、アメリカ・トランプ大統領の演説などから、今後の北朝鮮情勢を読み解いていきます。昨夜、韓国で開かれた晩餐会では元慰安婦の女性が招待され、日本の固有の領土であります島根県・竹島周辺で獲れた、韓国側は独島エビと呼んでいる、そのエビを使った料理が提供されたということなのですけれども。その招待された元慰安婦の女性とトランプ大統領が接触する場面というのがあったんですね。武貞さん、晩餐会における韓国側の意図・狙い、どう見ていますか?」武貞特任教授「最も日本の嫌がることを2つしたわけであって、竹島エビを料理の中に入れるということと、もう1つは元慰安婦の方を招待したということで、日米は本当に蜜月を演出したねと、しかし、米韓の首脳会談を含め、いろいろな行事で1泊2日という日本の2泊3日のスケジュールよりも半分ですから、これは何か韓国としては日米に対して遅れをとっているなという気持ちがあった、そういう日本に対する悔しいという気持ちも込め、エビと元慰安婦の方の出席ということを非常に周到に準備されたのだろうと思いますね。ただ、アメリカがこれを詳しく報道もしていないし、そのあとのことについてはトランプ大統領も一切言及はしていませんから、おそらくアメリカのメディアも、アメリカの指導層も、いつもやっておられる韓国の流儀だね、日韓関係に対するやり方だねということで軽く受け流して、あまり深刻な問題と考えていないのでしょうね、アメリカの方は」反町キャスター「田中さん、いかがですか?」田中氏「こういう言葉を使うのは申し訳ないけれど、未熟というふうにしかとられないと思うんですよね。と言うのは、日本に対して、ほとんどの日本人の人は不快感を持って見ると思うんですよね。アメリカもそんなに真面目には、真面目というか、真正面からはとり上げないということだろうし。だから、私はおそらく韓国の国内に向けてそういう絵を見せたということではないかと思うんですよね」反町キャスター「なるほど」田中氏「文在寅さんというのは少なくとも支持率は高いわけですよね。現在のトランプさんは37%、文在寅さんは73%だって言うんです。だから、ある意味、国内の支持というものを常につなぎ止めておかなければいけないという意味で、そういうことも使ったのではないかと思うのですが。本来、連携を強めようというのが趣旨ですから、残念ですね、いまだにそういうことをするというのは」反町キャスター「小野寺さん、防衛大臣としてこの件についてはコメントできないですよね?」小野寺議員「あまり気にしないことだと思います」反町キャスター「…わかりました」小野寺議員「私どもとしては日米韓3か国の連携が何よりも実は韓国の安全保障に1番有効だと思っていますので。そこは、その関係がむしろ崩れることが北朝鮮を利することになります、そこはしっかりしていきます」



 『日米韓連携』への温度差
 
秋元キャスター「さて、北朝鮮の脅威に対応するために日米韓の連携が不可欠とされるわけですけれども、その連携は盤石なものになるのか考えていきたいと思います。米韓の首脳会談に先立って中国と韓国はミサイル防衛システム・THAADの配備をめぐって、悪化していた関係を改善させるということで合意しました。中国は韓国との関係改善について、韓国の康京和外相が国会で表明しました、この3つの項目というのを強調しているんです。1つ目が、韓国はアメリカ主導のミサイル防衛態勢には加わらない。2つ目が、韓国配備のTHAADは現在の6基の発射台以外に追加配備計画はない。3つ目が、日米韓の軍事協力は同盟に発展しない。この3つの項目ですけれど、田中さん、この3つの項目、中韓の関係改善における事実上の3原則となるのでしょうか?」田中氏「3原則になるのかどうかは別にして、たぶんこれは中国と韓国の間で関係を改善していくのに必要な条件として合意されたのでしょうね」反町キャスター「なるほど」田中氏「ですから、何でそういうことになったかと言うと、このTHAADの問題で中韓関係が極めて悪くなったということが北朝鮮の問題に対する韓国の一種の戦略的な手だてとか、中国にとっても同じなのですが、それを阻んでいたという面があるわけですね」反町キャスター「なるほど」田中氏「だから、何が起こったかと言うと、THAAD以降、まさに韓国はアメリカの言うことをとにかく聞かなければいけない。以前は、中国と話せる韓国というのがアメリカに対するウリでもあったわけですね。ところが、それが現在の中韓関係が悪くなったことによって途絶えてしまったということ。だから、中国にとっても同じことが言えるわけですね。北朝鮮を牽制していくうえで韓国との関係が良いということが1つの大きなアセットですよね。だから、中国の方からTHAADの問題は棚上げして、関係を良くしましょうという、そのための条件ですから。こんなこと普通はないですね、中国の方から下りてくるというのは。だから、よっぽど戦略的に両方ともにとって必要だったということなのではないかと思いますね」反町キャスター「武貞さん、いかがですか?どう見ていますか?」武貞特任教授「すみません、この3つの話が出てきた、このタイミングにビックリしたんですけれど」反町キャスター「はい」武貞特任教授「内容も内容ですけれど、トランプさんの訪韓直前ですよね。これを見て、アメリカのホワイトハウス含め、行政府が気分を害するのはわかっている、わかっていたのであれば、トランプさんが帰ってから発表してもいいのですけれど、康京和という外務大臣が、外相がこのタイミングで、合意したのは10月30日ですよね、31日発表と、直前ですよね。しかも、これはアメリカとの同盟関係を少しうすめて、中国・韓国との関係の改善の原則を語ったものですよね。これはしたたかに中国にしてやられたなと思いますよ。中国がこの3つを、トランプさんの訪韓の前に韓国に一筆とったという話ですよね」反町キャスター「なるほど」武貞特任教授「してやられたと思いますよ、韓国は」反町キャスター「小野寺さん、韓国の外務大臣のこの説明を、中国もこれを当然受け入れるというこの流れというのは、何か日米韓のところから、中国がバスッと楔、ミシン目を入れて韓国を持っていこうとしているようにしか見えないのですけれど、まずその状況をどう見ているのか?安全保障上の懸念、今後どう我々は覚悟したらいいのか?」小野寺議員「北朝鮮の脅威が高まると、当然、日米韓3か国がしっかり対応するという、そういう連携…、一体感が強まっていくことは当然あり得るのだと思います。ところが、それを、たとえば、中国の方から見ると、逆に中国からの見方からすれば、日米韓が強固な関係になることは、もしかしたらあまり心地よくないかもしれない。そういう中で韓国の立場というのが微妙に揺れているのだと思っています。ただ、韓国は長年、半島の国で、こういう中国と他の国との狭間でずっと歴史上生きてきた国ですから、そういう面では、今回のこの合意についても、よく見るとなんとなく玉虫色のところもありますよね。そういう意味で、私どもとして韓国には北朝鮮の問題を含めて、連携が大事ではないかということは繰り返し言っていくしかないのだと思います」反町キャスター「特に1番目『韓国はアメリカ主導のミサイル防衛体制には加わらない』。データリンクシステムなんかも含めて、やらなければどうにもならない状況に入っているにもかかわらず、加わらないと、これはどう理解を?言葉自体が空文化しているようにも見えるのですけれども、これはどう見たらいいのですか?」小野寺議員「私も、韓国の政府の考え方というのは独自にいろいろな外交努力をされているのだと思うのですが。安全保障の部分だけを見れば、実態としては既にアメリカのミサイル防衛の中で、さまざまな衛星情報も受け、イージスシステムも強化していますから。そういう意味では、この額面通りの実態はないのではないかと思います」反町キャスター「では、言葉だけのやりとりを中韓がやって、中国はとりあえず、言葉だけ、メッセージ性だけで満足しているだろうと見ているのですか?実態が伴った言葉にはなっていないというところでよろしいのですか?」小野寺議員「今後、たとえば、アメリカのミサイル防衛体制に加わらないという形で米側からの情報提供については受けないとか、独自にやっていくとかということに、当然なり得ないではないですか?」反町キャスター「そうですね」小野寺議員「ですから、この言葉の意味自体が、お互い、双方、現状に照らし合わせて、同床異夢ではないですが、それなりの解釈を両国がして、とりあえずは仲良くということではないでしょうか」反町キャスター「小野寺さん、もう1つ、同様の発言で文大統領、3日のインタビューでこういうことを言っているんですよ。特に『日米韓3か国間の協調が軍事同盟水準に発展することは望ましくない』。これは外務大臣が『日米韓の軍事協力が同盟に発展しない』というのと、ほぼ同じ話ですけれども。この話も、当然のことながら現在の状況を考えると、ミサイル防衛においては3国の間での、同時のデータリンクがなければどうにもならない状況である中で、『同盟水準に発展することは望ましくない』というのは、これはどういう意味だと我々は理解したらいいのですか?」小野寺議員「ミサイル防衛についてそれぞれ協力していますし、日韓はGSOMIA(軍事情報包括保護協定)という軍事関係の情報の共有ということも行っています。ただ、おそらく韓国の国内の世論を考えれば、たとえば、米韓のような同盟を日韓のような形のような同盟というのは、決して国民感情が許さないとすれば、これはむしろ韓国国内に向けての発信の一面もあるのかなと思っています」反町キャスター「ただ、ミサイル発射時の対応を考えると事実上、アメリカの衛星から入ってくる情報やら、洋上展開しているイージスからの情報も全部含めても、3か国で同時に共有するシステムではないのですか?」小野寺議員「ええ、そういうことになっていますし、これは是非、韓国の政治家の方々にも以前はそういう認識を持っていただいていたと思うのですが、最近どうも薄れているなと思うのは、日本にある在日米軍、これは当然、日本の安全保障にも大変重要な役割を持ちますが、韓半島で何らかの問題が起きた時にはこれが有効に機能する。そういう意味で、実は昔から韓国の政治家の方はこれをよく理解して、それで日韓関係の中で歴史問題があったとしても安全保障問題で協力していこうという、そういうことは前提であったんです。ところが、ここ何代か韓国の大統領は、政治家は、それはあまり意識しなくなってしまった。自国の安全保障が何によって保たれているかということは、どの国もよくその本質を見極める必要があるのではないかと思います」反町キャスター「それは、韓半島で有事の際には在韓米軍では当然足りなくて現在3万人でしたか?1万5000人でしたか?」小野寺議員「在韓米軍の主力は陸軍ということになります。ただ、いざという時のさまざまな対応というのは当然…」反町キャスター「日本から?」小野寺議員「空も海も、海兵隊もありますので、そういう意味で、かなりの部隊があるのは在日米軍ということになります。そういう意味では当然、在日米軍は日本の安全保障にも極めて重要ですが、東アジア全体、特に韓半島のことに関しては重要な抑止力になります。だからこそ、たとえば、金正恩は今年の3月の弾道ミサイル実験、4発同時に撃ちましたが、それは日本にある米軍基地をと言っていました。それは逆に言えば、北朝鮮にとっては在日米軍基地というのは大変な脅威だと、それはこの韓半島の安定の抑止力にもつながっていると、もちろん、日本の安全保障にも役立っているのですが。そのことをもっと本来は理解していただければ、もうちょっと日韓関係を大事にしていただけるのではないかと思います」反町キャスター「こんなことは言わないはずだっちゅうことですよね?」小野寺議員「それは、大統領の発言ですから、意図はわかりませんが」



 トランプ大統領 韓国国会演説 北朝鮮に『米国を試すな』
 
秋元キャスター「さて、ここからは今日、韓国の国会で行われましたトランプ大統領による演説を分析していきます。ポイントをまとめましたが、『アメリカを過小評価するな、試すな』『アメリカは紛争や対立を望まない。でも、それから逃げることはない』『北朝鮮をどのような形でも支援してはならない』『弾道ミサイル開発の中止、完全な非核化でよりよい未来への道を提供する』と、こういった内容でした。小野寺さん、トランプ大統領は非常に強い言葉で北朝鮮に警告をしたわけですけど、今日の演説をどう見ていましたか?」小野寺議員「スピーチをした場所は韓国の国会ですが、誰に向かって話したかというのは、間違いなく金正恩に対しての発言、強いメッセージを発したのだと思っています」反町キャスター「小野寺さん、訪日中のトランプ大統領、ないしはその随行者との意見交換の中で、このトランプ大統領の韓国における今日のこの演説、ほぼほぼこういう強いトーンを感じましたか?」小野寺議員「今回アジア歴訪する中で重要な演説をするだろうと従前から思われていたのが、この韓国での議会と、それから、確かフィリピンだったと思います、そこでのスピーチと聞いていますので、そういう意味では、今回はここでは特に北朝鮮を意識したスピーチをされたのだと思います」反町キャスター「田中さん、いかがですか?どう感じましたか?」田中氏「1番大事なメッセージはたぶん『アメリカのことを過小評価するな』ということだと思うんですね。この点は、私が2001年から2年にかけて北朝鮮と交渉した時にずっと伝え続けた。要するに、あの時はブッシュ大統領が北朝鮮は『悪の枢軸』だと言ったわけですね。そのあと、まさにアフガンを攻撃し、イラクを攻撃していくということですね。ですから、それはなぜかということを私はこんこんと言った。要するに、アメリカという国は、真珠湾がそうだし、9・11がそうだけれど、自分の国が脅かされた時に黙ってはいないですよ。それを考えなければいけないのだというのは本当に北朝鮮が理解しなければいけないということだと思う。だから、1番大事なメッセージは『過小評価するな』ということだと思うんですね」反町キャスター「トランプ大統領、アメリカ政府の北朝鮮に対するレッドラインは何だという議論がよくある中で、どういう状況になったらやるのか?武力行使も含めて、強い姿勢で出てくるのかという中で、今回その部分についてトランプ大統領の言葉で言うと、『我々はアメリカや同盟国が脅されたり攻撃されるのを許さない。我々はアメリカの都市が破壊で脅されるのを認めない』。ここの部分というのは、たとえば、アメリカ本土に届くミサイルを持ち、核搭載可能なミサイルを持つことが確実となり、それをもってアメリカに対して脅すようなことを入った時点で、レッドラインを越えたことになるのかどうか?この見立てはいかがですか?」田中氏「現在まさにレッドラインというのは示しちゃいけないということ。要するに、オバマさんがレッドラインとして、大量破壊兵器を使った時、それがレッドラインだと言ってシリアに対して軍事行動をとらなかった、それがアメリカの抑止力を落とした大きな1つの原因ですね。ですから、レッドラインを言わないというのが賢明なことだと思います。ですけど、私が解釈するには、これから1年ぐらいの間に、北朝鮮はアメリカの東海岸に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)を、要するに、完成させるかもしれない。それから、核の小型化、そういうことも含めて、ドンドン、ドンドン、アメリカの本土が脅かされる程度が高くなっていくわけですね。当然ながら、これがレッドラインだと言って、それを守らなければ、なんだ腰砕けになるのかという話にならないためにもレッドラインを言うことはないと思う。だけど、緊張が高まっていくんですよね。ドンドン、ドンドン、緊張が高まっていくということがあると思う」反町キャスター「なるほど」田中氏「北朝鮮が何らかの緊張が高まった段階で一定の、要するに、同盟国やアメリカも含め、物理的な損害を与えるような事態、これは直接攻撃するということよりも太平洋の真ん中で水爆実験をやって、その結果どこかに被害が及ぶといったようなこと、たぶんそれは黙っていないでしょうね。ただ、それが本格的な戦争につながるかどうかは別問題で。そこはいろいろ工夫した形で、軍事的な、サイバーも含め、行動をとっていくということが、私はあり得るのではないかなという気がします」反町キャスター「武貞さん、全体の演説、どう感じましたか?」武貞特任教授「トランプさんの考えていること、全部散りばめて、相当周到に準備して、平壌に住んでいる人達は特別な人だっていうことも含めて、よく短い時間に、たくさんの北朝鮮研究をされたなと感心しましたね。それと、一言で言いたかったこと、キーワードを言うとすれば『過小評価してはいけない』ということなのでしょうね。甘く見てはいけないよということですよね。トランプさんのあの演説の風景を見ていても、あの人、映画の中で出てきた時、何が1番似あうかなと思ったら、田舎の保安官がぴったりだと思うんですね、カーボーイハットをかえして甘く見ちゃいけないよと、カーボーイが1番嫌がるのは、意気地なしと言われるのが1番嫌ですよね。テンダーのようなやわらかい足をしているので、カーボーイの硬い靴を履けない意気地なしの男、と言われるのが、アメリカ人が1番嫌ですよね。意気地なし、勇気がないねと言われるのを最も嫌うアメリカ人、その気持ちを北朝鮮に対して一言でぶつけたのが、今日の演説だと、アメリカを見くびっちゃいけないよということを言いたかったのでしょうね。ところが、いくつか演説のポイントですけれども、おやっ?と思ったことがあるのは、アメリカを過小評価していないと思いますよ、北朝鮮は」反町キャスター「なるほど」武貞特任教授「過小評価していたら、アメリカ大したことないね、と言ったら、なにもワシントン、ニューヨークにまで届くICBM、その先のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)まで実験しながらつくって、ワシントン、ニューヨークの心臓部まで破壊できるものを持たなければ、アメリカはギャフンと言わないねという最終目標を設定しているということは、ノドンミサイルの1300kmではダメだと彼らは思っているわけですよね。非常に過大評価して、アメリカの心臓部がやられた時に、初めてアメリカは、北朝鮮と話をしたい、しようか、そういう能力を北朝鮮が持った時に出てくるのではないかというぐらいに実は過大評価しているんですね。私は、致命的な事実の誤認がトランプさんの演説の中にあると思いますよ。それと、もう1つは、その体制の弱さゆえに核兵器を持とうとしている、その選択は間違いだというくだりもあるのですけれど、体制の弱さ、38度線から北が現在のままではもたないから、なんとか核兵器を持とう、持とう、と言っているのは間違いで、あなた方は自分をむしろ追い込むだけですよということを言っているんですね。そういう選択をするのは自分達の常識と違うと、あんた達の住んでいるところは地獄でしょうと、あなた方、指導陣はカルト集団でしょうと、そこまで言っているわけですよね」反町キャスター「言っている」武貞特任教授「これはまったく私は事実誤認だと思いますよ。むしろ北朝鮮はアメリカを心臓部まで破壊できる能力を持ったうえで、朝鮮半島における南北の戦い、統一をするために38度線を北朝鮮が越える、1950年6月25日、お祖父さんがやったことですけれど、その時にアメリカが軍事介入したから38度線ができてしまった。もし軍事介入しなければ北朝鮮は獲れるはずだという緻密な計算と核戦略と非対称確証破壊能力を持ってしまえば、アメリカは、結局はワシントン破壊嫌だねと言って引っ込んじゃうだろう、米朝関係正常化の道が見えてくるねと。そうなったら、ほとんど素手で韓国を獲れるなという、そこに核戦略と統一のための最終目標があって、やってきている。北朝鮮が、自分の体制危ない、潰れそうな体制をなんとか核兵器を振りまわしながら守ろう、守ろうとするのは間違いだよと呼びかけても、北朝鮮はなるほどとは思いませんよ」田中氏「武貞さんは、たぶん北朝鮮を過大評価している」反町キャスター「はあ…」田中氏「アメリカを過小評価し過ぎている」反町キャスター「はあ…」田中氏「アメリカという国は、たとえば、西海岸でも東海岸でもいいのですけれども、200万の人が死ぬと、その時に2億の人を救うために相手を叩くというのは、やりますよ、それはやりますよ。だから、私は北朝鮮というのは…」反町キャスター「200万人というのは半島有事の場合の死傷者ですね?」田中氏「そうですね、半島有事の…」反町キャスター「2億人というのはアメリカ本土が攻撃された場合の話ですね?」田中氏「はい。だから、要するに、私が言いたいのは、2001年1月にブッシュ大統領がステート・オブ・ユニオンをやったわけですよね。要するに、こういう核兵器の拡散とか、あるいはテロがあるのは、それを支援する国家があるからだ。あの時、誰も思わなかった、あれだけ迅速にアフガンを叩く、それから、イラクを叩くとは思わなかったわけですね。だから、アメリカという国はそれをやる国ですよ。だから、そこは、私もアメリカに長く住んだけれども、過少評価しない方がいい」



 米国の北朝鮮対応『本気度』
 
秋元キャスター「ここからはアメリカが北朝鮮に対する軍事行動について、どこまで覚悟を決めているのかというアメリカの本気度について読み解いていきたいと思います。今回のトランプ大統領のアジア歴訪に合わせて、アメリカ軍も動きがありました。原子力空母ニミッツ、ロナルド・レーガン、セオドア・ルーズベルトの3隻が西太平洋に集結をしまして、共同演習に臨みます。空母3隻による演習というのは異例で、2007年以来、10年ぶりになるということです。この動きに対して、北朝鮮は7日の労働新聞を通じて『アメリカの好戦狂達は、トランプのアジア訪問期間に挑発が予想されると騒ぎながら、3 つの空母打撃群を朝鮮半島周辺水域に寄せ集めて合同軍事演習を繰り広げ、極度の緊張状態をつくっている』と非難しているのですけれども。小野寺さん、この異例の原子力空母3 隻の共同演習、これは北朝鮮に対してプレッシャーになっていると見ていますか?」小野寺議員「当然、原子力空母の艦隊と言いますか、その1隻、1艦隊だけの能力でも大変な、アメリカの場合は能力を持ちます。これが3隻集結をするというのは本当に能力としたら大変大きな脅威になりますので、脅威と言いますか、圧力に、北朝鮮に対してはなりますので。いざという時に北朝鮮は、これだけではなく、さまざまなアメリカの能力が展開されると思えば、それは早く外交で解決する道を選んでいただきたいと思います」反町キャスター「武貞さん、北朝鮮側から見ると、この空母打撃群3つが周辺海域に、あと原子力潜水艦もいると大統領も話していますけれども、この現在のトランプ大統領のアジアツアーに合わせた軍事的なプレッシャーがグーッと高まっている状況というのを、どういうふうに見るのですか?」武貞特任教授「それはもうアメリカの脅威が増したと間違いなく思っているでしょうし、それに加えて、グアムからはB-1B、本土からはB-2戦略爆撃機をこちらの地域に持ってきていることも同じぐらいの、これは戦略爆撃機ですから、機種によっては核弾頭も投下できるものがあるわけですから。明らかにアメリカが判断・決断を下せば、全面戦争になって北朝鮮はやられてしまうということは頭に描いているでしょうけれども。北朝鮮の軍の動き等を総合して見ると、軍事衝突が切迫していると彼らが危機感を抱いているようにはどうも見えないですよね。どうも分けて考えているように見えますよ。たとえば、この1、2か月、原油の輸入をたくさん北朝鮮が始めたという話はまったくないですよね。それと、1950年6月25日の戦争の時には、真っ先に北朝鮮海軍がしたことは機雷をたくさん撒くことです。アメリカは終戦後、掃海艇というのはスクラップにしちゃって、韓国海軍は持っていなかった、日本の掃海艇が派遣されて…」反町キャスター「行きました」武貞特任教授「死者まで出して、朝鮮戦争の機雷作戦には日本が主役を演じたぐらいに、北朝鮮の得意とするところは機雷作戦。機雷作戦に関する動きが昨年、今年、まったく北朝鮮にないようですよね。別に私は機密情報を握ったわけでもなんでもないのですけれど、ない。そういったこともそうですし。それから、現在も前方展開を北朝鮮はしているわけですけれども、軍が相当数、緊迫した時には38度線に向けて、北方の、東北の方の軍も南の方に南下するということが過去にもあったのですけれども。この3つ、機雷作戦、原油の輸入・緊急輸入と、38度線近くへの陸軍の南下、この3つですね、ないですよね」反町キャスター「それはどう見たらいいのですか?北朝鮮からすれば、アメリカはプレッシャーをかけているけれども、こちらからやらない限りアメリカから攻撃されることはないと思っていれば、空母が何隻いようと関係ないわけではないですか?そういうタカのくくり方をしているのか?ないしは戦術的・戦略的に、これはちょっとやめておいた方がいいよというこういう判断なのか?」武貞特任教授「北朝鮮の見積もりの中には、アメリカが着々と開戦の準備をしているというふうには見えていないということと、北朝鮮自身も自分の方から開戦の準備をして、先に韓国を叩こう、あるいは航空母艦に向けて、航空母艦を破壊する弾道ミサイルも開発中のようですから、そういったものを使って北朝鮮が開戦をしようというシナリオも具体的な選択肢の中には現在はないということを示しているのでしょうね」反町キャスター「たとえば、米韓合同軍事演習の時には、それに対抗するかのように、中距離だったり、短距離だったり、ミサイルをドーンと撃ったりする中で、合同軍事演習であれだけハレーションを起こすのだったら、空母打撃群3つが周りに来たら当たらないようにとは言え、撃ってもおかしくないのではないかなと素人的には思うのですけれども。今回、北朝鮮が非常に静かなのは、これはどう見たらいいんですか?」武貞特任教授「非常に静かであるのは相当ハイレベルの、ハイポリティックスのレベルで、意図的に、慎重に緻密な計算をしたうえで、9月15日の火星12発射のあとは、現在は静かにしておいた方がいいだろうという決定を下したんですよね。彼らは宣伝のレベルもだいぶあると思いますけれども、完成しちゃったのだと、ICBMも相当遠くまで届くのは見たでしょう?火星12、火星14も7月4日と7月28日に発射したのを皆、知っているでしょう?とおそらく言いたいのでしょうね。と言うことで、アメリカに対して非対称ではあるけれど、お互い首都を攻撃しようとしたら弾頭のいくつかが落ちちゃう関係だから、米朝核戦争はやめようねという、最終段階に達したと宣言したような文書が10月28日の労働新聞の社説ですよね」反町キャスター「なるほど」武貞特任教授「つまり、これは次の彼らのステップは、もう核戦争を米朝はやめる関係だねという提案がおそらくあるでしょうね、近いうちに。つまり…」反町キャスター「ちょっと待って。田中さん、武貞さんの話を聞いていると、もうほぼほぼ軍事的な、核ミサイルつくる競争みたいな、それはもう終わっていると、北の方は言っているようにも聞こえるのですけれども、状況はそういう感じになります?」田中氏「いや、私はそうは思いません。1、2年というのがカギだと思いますが…」反町キャスター「これからですよね?」田中氏「ええ。私は、大臣が言われたように、現在のアメリカの軍事力、軍事的圧力の見せ方というのは、従来にないような極めて強力なものだと思うんです。それから、韓国の国会でやったトランプ大統領の演説も極めて強い調子で迫力を込めて『アメリカを過小評価するな』ということを言っているわけですね。こういう圧力をずっとかけていくことは、それなりに重要であり、必要な方策だと思う。だけど、我々、そういう圧力をかけていって、北朝鮮がある日突然、いや、申し訳ない、わかりました、では、核を放棄します、ということになるかどうかという話ですね。たぶん多くの人はそうはならないだろうと。だから、圧力をかけるだけではダメだよねと、それに加えて、必要な方策があるよね、ということだと思うんですよ。だから、それは、私は外交戦略だと思っているのですけれど。圧力をかけることは大事だけれど、同時にその圧力が、水も漏らさぬ圧力になるためには、当然、先ほどの演説もそうだけれども、中国とロシアが加わらないといけない。それは中国が言うように、アメリカや日本がそうしろよと言うのではなくて、彼らと協議をしなければいけない」反町キャスター「そうですよね」田中氏「いったいどういうシナリオでやっていくのかという協議をしなければいけないということですね」反町キャスター「なるほど」田中氏「それから、もう1つは、だけど、そんなことを言っても、圧力をダーッとかけ続けて、暴発するかもしれないですよ」反町キャスター「そうですね」田中氏「我々の、たぶん日本政府の目的、私は日本政府ではないですが…、目的というのは、1、北朝鮮が核を持つ自体は困る、だけど、朝鮮半島を有事にしたくない、この2つの目的があると思うんですよね。そうすると、暴発したら困るではないか。そのためには危機管理計画がいるんですよね。アメリカに対してどういう支援をするのか、幸いなことに有事法制もできているし、現在、安保法制ができたから、一定のことはできるんですね、日本も。それから、難民の支援、邦人救出…」反町キャスター「そこです」田中氏「そこを、万全のものにして初めて圧力をかけても大丈夫だという世界になる。だから、基本的には私は…」反町キャスター「圧力の前提ですよね?」田中氏「圧力は必要だし、水も漏らさぬ圧力にしなければいけない。そのためには中国とか、ロシアを説得する努力をしなければいけない。同時に、いざという時に、慌てないだけの備えが要りますよと。それがあってこそ初めて北朝鮮対策と言えるのではないのでしょうか」反町キャスター「小野寺さん、退避計画の話を聞きたいんですよ。半島の緊張が高まって、半島有事の際に、アメリカ人も、韓国人、日本人、フィリピン人、台湾人、いろいろな人が韓半島にいるわけで、その人達、まずは日本としては邦人の退避計画ですけれど、現状はどうなっているのですか?」小野寺議員「今回の北朝鮮の問題というのはアメリカにとってアメリカの自国に対する安全保障上の脅威となっています。ですから、これはこれまでと全然違う次元の問題だということをまず前提で考える必要があります。そのうえで私ども防衛当局は、これは外交で解決することが基本ですが…」反町キャスター「なるほど」小野寺議員「万万が一、たまたま偶発的な問題が起きたり、仮に何らかの紛争が起きた時に、日本の国民と領土をしっかり守っていく役割がありますから、そこは常々しっかりとした防衛体制を整えていくこと、これに尽きるのだと思いますので、そこは常日頃から米国と協力をしながら対応しています。邦人救出というお話がありましたが、私ども自衛隊法の中では、邦人輸送、それから、今回はさまざまな法改正で救出もできるような相手国の同意が必要ですが、そういうことができるようになりました。そういう全体の中で、万が一、何か問題が起きた時にはどうするかということ、これは当然それぞれの国で検討しておくべきですし、私どももしっかりその対応はしていくということになると思います。なお、たとえば、邦人の輸送に関して、救出に関しての協力訓練については韓半島有事と限ったわけではなくて、日米は共同して行っていますし。今年に入ってからも、ジブチにおいて日米で共同して邦人の輸送についての訓練も行っていますので、そういうことが当然、必要だと思いますが。ただ、韓半島有事が仮にあったとすれば、相当数のおそらく邦人が避難する必要があります。これは基本的にはまず渡航のことについて、その安全上の問題については、外務省がさまざまな情報を集めて、しっかり警報して、まず避難をするということが基本です。それでも、どうしても避難ができない、あるいは民間船、民間航空機で輸送できない場合、これは私ども日米協力して対応していくということは基本になるのではないかと思っています」反町キャスター「海上自衛隊の船や、航空自衛隊の飛行機が韓国の空港や港に降りたり、陸着けしたりすることができないのではないかという指摘があります。そこは、どういう現在、法的なスキームはどうなっているのですか?有事の際の邦人救出に向けての、海上自衛隊の船がつけることができるのか、できないのか?空自がさまざまな空港に降りて、邦人を救出して帰ってくることができるのか、できないのか?日韓の間の法的なスキームはどうなっているのですか?」小野寺議員「これはいずれにしても、相手国の同意があれば、当然行うことができるということになりますし、相手国の同意がなければ、それは行くことができないということになります。ただ、たとえば、海上自衛隊の練習艦隊、これは武貞さん、ついこの間、帰ってこられましたが、韓国の港にも入っています。そういう意味では、私どもはさまざまな状況の中で、当然、韓国政府もいざという時は協力体制にはなると思いますし。韓国政府自身がこれは日本人のみならず、アメリカ人も、外国人に対しても、その保護という役割を持つわけですから、当然そういう時には協力体制ができるものだと思っています」反町キャスター「ただ、現在の平時においても、海上自衛隊の船が韓国に着けるのは難しいという話もありますよね。飛行機も、なかなか航空自衛隊の飛行機が韓国の空港に降りるのはどうなのですかという。こういう平時においてすら難しいことが有事になったら急に門戸が開くものなのですか?そこは、我々は大丈夫だと思っていいのかどうか?ないしはある程度のところまでは自分で、韓国で有事になったら地力に帰ってきなさいということが前提になるのか?」小野寺議員「まずは、これはどの国もそうですが、どこかの国で活動するということは、それなりにリスクも伴います」反町キャスター「あっ、オウンリスクですね?」小野寺議員「ですから、自己責任において、たとえば、退避勧告とか、さまざまな情報が外務省から流れた場合には、それぞれの判断でまず自己の安全を確保していただくのが基本です。ただし、それ以外、どうしても必要な場合に関して当然、私ども自衛隊は、国として相手国政府、韓国と限ったわけではないですが、邦人についての輸送を依頼しますし、民間船が難しければ、民間航空機が難しければ、自衛隊機・自衛隊の船ということも当然想定される内容になるのだと思います。ただ1つ、韓国の状況というので難しいのは、たとえば、文在寅さんは何と言っているかと言うと今回、韓半島では紛争は起こさせないというのが基本です」反町キャスター「起こさせない…」小野寺議員「ですから、文大統領が起こさせないということが前提で言っている中で、起きた時に避難するのにどうしましょうという議論には結びつかないわけです。そういうことは起きないのだからと、こういう文さんの…」反町キャスター「そんなこと言ったら、有事法制の話は何もできないですよ?」小野寺議員「そういう韓国の国内の事情もありますので、私どもは韓国の事情も理解をしておくべきなのだと思います」反町キャスター「現状、有事の際の、自衛隊の航空機なり、自衛隊の艦船の接岸・着陸に関しては、韓国側が有事になったらOKですよという話し合いというのは進んでいないと思ってよろしいのですか?」小野寺議員「韓国が現在、文政権で常々言っているのは韓半島で戦争を起こさせないということですから、そのような事態は起きないということを国民に向かっておっしゃっているのではないかと思います」反町キャスター「日本政府としては、そういう話し合いをしようという働きかけは持ちかけているのですか?」小野寺議員「これは、邦人の避難だけではなくて、日米韓、防衛当局がスクラムを組んで、圧力をかけるということが前提ですから、現在はまず圧力が前提です。私ども先ほどから…」反町キャスター「北に対する圧力ですよね、それは?」小野寺議員「そうです」反町キャスター「韓国に対する圧力ではなくて?」小野寺議員「いえいえ、北に対する…。先ほど来、お話をしていますが、韓半島とは限らず日米は邦人に対しての輸送についての訓練は行っているということです」反町キャスター「なるほど。ただ、たとえば、アメリカの場合だったら韓国にいる在留米国人に関しては、年に2回ぐらいですよね、民間人の避難訓練をやっていますよね。似たようなことは日本もやってもおかしくはないと思うのですけれど。少なくともオペレーション・マニュアル、こういう時はここに逃げるのだよというようなそういう訓練というのはやっていないですよね、日本は?」小野寺議員「これは防衛省の所掌というよりは…」反町キャスター「違うかもしれない」小野寺議員「むしろ邦人保護で外務省の所掌になると思います。政府として、どういう対応をとるかというのは考えていくべきだと思いますが。ただ、前提は、韓国の文政権はそういうことが起きないのだということが前提で、国内で説明をしているとすれば、なかなかそれが起きたことを前提に訓練をするというのは受け入れにくいという立場にあるのだろうなと思います」



 武貞秀士 拓殖大学海外事情研究所特任教授の提言 『抑止力強化 そして対話』
 
武貞特任教授「北朝鮮に対する圧力を加えようということは国際社会でコンセンサスがあると思います。そのあと考えるべきは圧力を加える、窮鼠猫を嚙むような反応を北朝鮮がした場合、どうなるか?それも邦人救出の問題、我々も議論したところですけれども、そういったところで窮鼠猫を噛んでもらっては困るわけであって。窮鼠猫を噛むと自分達が大変なことになるなと思っていただくためにも、日本の抑止力というものも具体的に考えていかなければならないのではないか、ということを備えることによって、軍事衝突はプラスではありませんよというメッセージを送ったあとに、北朝鮮との対話というものも具体的に考えるべきなのでしょうね」



 田中均 日本総研国際戦略研究所理事長の提言 『P3C』
 
田中氏「P3Cは別に哨戒機のことを言っているのではなく、Pというのはプレッシャーですね、プレッシャーは必要である。ところが、プレッシャーと同時に3つのCが必要である。最初のCというのはコーディネーション。コーディネーションというのは日米韓もさることながら中国・ロシアを巻き込んで、制裁とか、圧力を、水を漏らさないようにしなければいかん。2番目のCはコンティジェンシー・プランニング、これは先ほど、議論した通り、危機管理計画がなければいけない、いざという時のために。3つ目のCはコミュニケーションですよ。こういう緊張が高まった時に、別に対話ではないのだけれど、どこかでコミュニケーション、チャンネルがないと危ない。日本と北朝鮮でやり、米国と北朝鮮でやる。そういう偶発的な衝突を避けるような、コミュニケーションをどこかで、水面下でやっていなければいけないと。P3Cです」反町キャスター「それは見た目、どうしても表立ってはプレッシャーのかけ合いとか、言葉の応酬みたいなところになっちゃうのですけれど、こういう圧力を表立ってガンガンやり合っている時は、ちゃんと下で話し合いが、言われたようなコミュニケーションとか、コーディネーションとか、進んでいると僕は期待するのですけれども」田中氏「私も期待します」反町キャスター「えぇ?」田中氏「いや、当然そうだと思います」反町キャスター「ですよね?」田中氏「特に外交が当然、中国やロシアに対して、どういうシナリオでやっていくのかという協議をしてほしいと思う。だけど、日中に現在そういう環境があるかどうかという問題がありますね。それから、コミュニケーション。これは下手に漏れると対話ではないかと、圧力を損なっているのではないかと言われるけれど。これは難しいから、こういうことを大っぴらにやるべきものではない。危機管理計画だって、先ほど、大臣が言われるように、そんなことやっていますよと外に言うものではない。だけど、私の期待を込めて、政府はそういうことを考えてもらいたいということです」



 小野寺五典 防衛大臣の提言 『圧力と対話』
 
小野寺議員「皆さん、たぶん同じだと思います。よく対話と圧力と言いますが、今回、まず圧力をしっかりかけて、北朝鮮を対話のステージに引き出すということ、これが一貫しています。私達も紛争は望みません。北朝鮮にも、国民の皆さんは平和に暮らす権利があるのだと思います。だからこそ今回しっかり対話に応じて、核・ミサイル、日本にとっては拉致の問題の解決をしっかりしていただきたいと思います」


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2017年11月7日(火)
 櫻井よしこ×手嶋龍一 検証『トランプ歴訪』


ゲスト
櫻井よしこジャーナリスト 国家基本問題研究所理事長
手嶋龍一外交ジャーナリスト 作家




 櫻井よしこ×手嶋龍一 韓国晩餐会に『元慰安婦』
 
秋元キャスター「アジア歴訪中のトランプ大統領は今日、日本での全日程を終え、次の訪問地であります韓国を訪れました。午後には文在寅大統領との会談が行われました。今夜は、今回の訪日及び訪韓、そのあと予定されています中国訪問を通して見えてくる北朝鮮問題や貿易問題の今後と課題を聞いていきます。櫻井さん、歓迎の場であるはずの晩餐会で、たとえば、竹島のエビを出したりとか、元慰安婦の方を呼んだりとか、こうした姿勢を見せる韓国をどう見ていますか?」櫻井氏「この慰安婦の方を、公式の晩餐会でしょう、にお呼びするというのは国際常識からして、考えられない、非常識極まることですよね。異次元の外交に入ってしまったという感じがしないでもないですね」秋元キャスター「手嶋さん、どう見ていますか?」手嶋氏「例の竹島のエビのことですけれど、あるいはご覧になっている方々がメニューのことではないかとおっしゃっているかもしれないですけれども、これは国際社会、特に首脳外交ではそうでもありませんで、よく晩餐会の政治学などという言葉があって、晩餐会のメニューは実に多くのメッセージが込められている。かつてコールさんも出たのですが、独仏の会談、これは常に緊張をはらんでいる関係であるんですね、その中でアルザス州の、つまり、ドイツが以前に領有をしていたところのホワイトアスパラガスが出ましたよというふうに、これは融和のシンボルでもあるということになりますよね。ですから、大変重要だということになりますし、これはおそらく大統領府がメディアに、竹島のこのエビが出たのだということを公式ではなくてリークをしたということなのでしょうから、非常に意図的ということになりますから、だから、このことはちゃんと論じなければいけない。つまり、晩餐会ではやるべきことではないと思いますね」反町キャスター「これについて官房長官がこういう発言をしています。『外国人が他国の要人をどのように接遇するかについて、政府としてはコメントを差し控えます。がしかし、どうかとは思います。日米韓の緊密な連携に、悪影響を及ぼすような動きは避ける必要がある』と、これは官房長官、かなり抑え目にこういう話をされたのですけれど。手嶋さん、この菅さんの発言、どう感じますか?」手嶋氏「これは外交的に見ますと、一応、建前としてコメントを差し控えるとは言っているのですけれども、ちゃんと『どうかと思う』と言っているので、明確に私どもジャーナリストならば『どうかと思いますと述べ、韓国側の対応を厳しく批判した』ということになりますね」反町キャスター「それと手嶋さん、慰安婦問題についてですけれども。これが2015年の年末に合意された日韓合意です。その中で1番、僕らとしてポイントにしたいのが、2つ目の部分、『今後、国際社会での本問題の非難・批判を控える』ということを両国政府は合意していますけれども…」手嶋氏「はい」反町キャスター「今回、晩餐会に元慰安婦の方を招待するということは、この日韓合意に反しているのかどうか?」手嶋氏「事実上、反していると言わざるを得ないと思いますね。まさに批判派の当人を連れてくる、それを参加者にするということです。事実上、国際社会、つまり、アメリカの大統領までいた晩餐会で批判を行ったということです。それを蒸し返してますよね。ですから、言いにくいのですけれども、不可逆的な解決をというところにも反しているのだと思います」反町キャスター「文大統領はこれまでのところ、選挙期間中も含め、日韓合意に関しては破棄するとは言っていないですよね?」手嶋氏「ええ、しかし…」反町キャスター「国民感情に反するとか、なんとかいろいろなことを言って、反対だよということをジワジワ、ジワジワ言っていた…」手嶋氏「文在寅大統領自身は、明らかに本音としては、この合意を破棄したいと思うと。しかし、これは大統領としては、まさに国際社会に対して簡単に廃棄はできませんよね、非難を受けるということになりますので。従って、こういう機会に、今度は破棄すべしという文在寅支持派というのは相当強固なものがありますから、その人達に政治的な手形を落とさなければいけないということを、こんな形でやっているということになるのだと」反町キャスター「アメリカはこの日韓合意を非常に歓迎していましたよね?歓迎をしたアメリカのトランプ大統領がいるその席に、いわゆる元慰安婦の人を招待している。これはアメリカから見た時にどう見えるのか?これは多少の期待も含めての質問ですけれども、アメリカ大統領は今回招待された元慰安婦の人に対して、どういう姿勢、ないしはわかりやすく言っちゃうと独島エビの料理を食べずに放っておくかどうかとか、そのへんの大統領として、アメリカ政府としての今回の晩餐会に対する反応、どう出ると考えますか?」手嶋氏「これはアメリカも、それから韓国の場合も、政権が事情は違いますけれども、変わっていますよね。しかし、アメリカの場合はまさに超党派で全体としては、日韓合意については、これを歓迎すると、なぜならば現在、北の核・ミサイルという大変な問題がある時に、その最も枢要な関係国、日米韓というのの連携はちゃんと保たれていなければいけないと。そのためには、そうでなければ、最大の圧力をということになりませんですよね。従って、当然のことながら前政権の大きな路線をこの点では引き継いで、日韓合意を重視するというのはワシントンの立場なのだと思います」反町キャスター「なるほど」手嶋氏「従って、そういうものに対する、まさに波乱要素ということになりますから。トランプ大統領は比較的最近政界に入った人なので、そんなに細かいことはわかりませんけれども、一方で言うと勘のいい人でもあるので、ここのところ終始一貫、東京と違って、ソウルでは非常に表情が硬いですよね。非常によく、このことを含めてわかっておられるということになりますから。その点で日本から見るとあまり心配…、懸念すべき事象ですよ、しかし、日本から見るとそれほど、つまり、心配をしなくていい。トランプ大統領はよくこの間の事情をわかっているはずだと私は思います」



 トランプ『日・中・韓』歴訪
 
秋元キャスター「訪日している間に、トランプ大統領や安倍総理の姿勢に韓国メディアからこういった反応がありました。朝鮮日報は『韓国株価を下落させておいて安倍総理と仲良くしている憎らしい人物であるトランプは、韓国人にとって金正恩に劣らず危険な人物』、中央日報は『文大統領としては、トランプ大統領を迎え、彼の背後にちらつく安倍総理の影を意識しなければならない状況だ』と。櫻井さん、このメディアの反応をどう見ていますか?」櫻井氏「韓国のメディアは、日本のメディアよりも100倍くらいおかしいですから」反町キャスター「櫻井さん、普段は我々のことをすごく叱るではないですか?」櫻井氏「はい」反町キャスター「それよりもっと酷い?」櫻井氏「もっと酷いと思いますね。これはまず第1に本当に事実を伝えないし、すごく曲がっていますからね。『韓国にとって金正恩に劣らず危険な人物』って、朝鮮日報でしょう、朝鮮日報と言ったら名門だったわけですよね。金正恩が現在何をしているのか、そう考えると、金正恩さんと比べて、トランプさんは、もっと危険な人物と言うのは、判断の基準がジャーナリズムから言うと、受け入れられない。これはデマゴーグであるとしか言えないですよね。それから『トランプ大統領の影に、背後にちらつく安倍首相の、影を意識する』、それは安倍さんが今回持ちだした『インド太平洋構想』というのは、私は、あれは本当に素晴らしい、安倍さんが打ち出したものをトランプさんがそれを受け入れるという形で、本当に日本国の総理大臣の中でこのように大国アメリカの外交政策を打ち出して、それにアメリカが従ったなんていう事例は初めてですよ。このもう1つ大きいことは、トランプさんはアメリカ第1主義で、内向きの人ではないですか。TPPはダメだとか、パリ協定もダメだとか、国連もダメとか、いろいろな国際的な多国間の枠組みを全部否定した人が、このインド太平洋という括りで前向きなんですよ。トランプさんにとって初めての多国間の構想ですよ、これはすごく大きいことで。だから、安倍さんの影響力というのはすごく大きいですね。だから、そこまでちゃんと中央日報の方がわかって書いているのか、ただ単に安倍さんをちょっと非難したいために『安倍さんの影』と言っているのか、そこのところはわかりませんけれども、と言うのが私の感想ですね」反町キャスター「手嶋さん、いかがですか?この韓国メディアの論調、ちょっと象徴的な部分を抜き書きしているのはあるにしても…」手嶋氏「僕はジャーナリストですから、韓国のジャーナリストにも、心ある立派な人はまだいるのですけれども、少なくとも紙面には残念ながら現在のところ反映されていないと。政治家がそうであるように、メディアも時には大きなこの世論の流れとか、感情的な流れに抗して、ここは違うのだと言うことは随分重要なので、その点ではやがて論調は変わってくると思いますけれども、これはあまり感心しませんね。特にトランプ大統領は、現在、ロシア疑惑、ゲートなどと言われて、選ばれ方については確かに疑念は出ている。しかし、とにもかくにも民意によって選ばれているということになりますよね。従って、その人と金正恩を同列に並べるというのは間違いだと思います。特に現在、在韓米軍というような人達がいるのですけれども、この人達は一朝事があった時に、最終的にはトランプ大統領の意に服して死地に赴かなければいけないということですね。このことの意味は大変大きくて、僕はかつて2年間、アメリカの大学の研究所で陸海空の高級幕僚と生活を共にしたことがあるのですけれど、その時に1つだけ気をつけていたことがありました。彼らはいざという時には、家族もいて、大変良い方々ですよね、しかし、大統領の命令を受け戦地に赴くということになりますから大統領がどんな人であれ、時の大統領がどんな誤りを起こしているとしても、大統領そのものを彼らの前で悪し様に批判するというようなのはやるべきではないと思っていたので。注意をしながら意見を伝えましたよ、だけれど、そこのところは気をつけていたということになりますので。この在韓米軍がいることの意味と、その最高司令官が誰であるのかということは韓国のメディアも肝に銘じていただきたいと思います」



 速報『米韓首脳会談』
 
秋元キャスター「韓国を訪れたトランプ大統領ですけれども、今日夕方、米韓共同会見が行われました。その中で安全保障についてこういった発言がありました。文在寅大統領からは『北朝鮮核問題を平和的に解決し、朝鮮半島に恒久的な平和体制を定着させることにした』と。一方で、トランプ大統領からは『世界最強の3つの空母を派遣した。原子力潜水艦も配置についている。使わなくて済むことを神に祈っている』ということですが。手嶋さん、一方は『平和』、こちらは『空母』と、米韓の北朝鮮に対する温度差をどう見ていますか?」手嶋氏「ええ、明らかに違いは歴然としていますよね。文在寅大統領は注意深くお話をしているのですけれども、最終的に、各国の圧力というのが効果をあげて、という、これ現にご本人が言っていますよね。やがて妥協策を見出し、そのことによって恒久的な平和体制を定着させることになると、そういう話し合いの枠組みが徐々にと言うのですけれど、明らかに楽観的に過ぎるということになりますよね。なぜならば、北朝鮮をめぐる各国の圧力と言いましても、文在寅政権自身が圧力をちゃんと加えるということについて、そのスクラムの中にガッチリといるのかどうかということは明らかに疑問ですし、実は、アメリカは世界の警察官だ、などと言って、同盟国に軍隊を置いてということにはなるのですけれども、アメリカという国は一方において、その国が自国を守るという自覚がなければ、伝家の宝刀を抜いて、アメリカの若者を、まさに大統領の最終的な命令によって死地に赴かせるということになりますから、それができない仕組みになっているんですね。これは実は韓国だけではなくて、尖閣諸島ですけれど、そこは中国が領有を主張していますから、そこに最悪の事態としては人民解放軍がと言うことが考えられる。その時には当然、個別的な自衛権を発動しますから、日本は個別的な自衛権を発動して、実力でこれを排除するということ、これは中国も当然そうするだろうと思っているのですけれども、中国の関心はたった1つ、半世紀を超えて安全保障同盟を結んでいるアメリカが、アメリカの軍隊が出てくるかどうかという点ですよね。これは時に不明だったこともあったのですけれど、トランプ大統領は、それはちゃんと安保条約第5条に基づいて軍隊を出すということを先の日米首脳会談、2月に明らかにしていますよね。これは最も重要ということなのですが、これをよく見てみますと『日米が共同で対処する』ということですね。日本が覚悟を持ってしなければ、アメリカは動かないという、ここは日本の人々は時に見過ごしているということになりますので。日本も、もちろん、戦争などないに越したことはないと、私もそれを強く望んでいますけれども、しかし、究極の場合は伝家の宝刀を抜くかもしれない覚悟が、相手を突き動かすということになるのだと思いますけれども。文在寅政権はそのことについて本当にそういう覚悟を持っているのかどうかということについて、少し関係国の間で疑念は出ているのだと思います」反町キャスター「それは日米首脳会談の関係においても、政府関係者等々からトランプ大統領が文在寅大統領に対する評価として、総理に、安倍総理に対してですよ、文大統領というのは何か緩いのだと、決めきれていないんだよという話をしたのではないかという話が1日空けて今日あたりポロポロ、ポロポロ出てくるんです。それはかなり確度の高い、トランプ大統領の文在寅大統領評だと思ってよろしいですか?」手嶋氏「これは、実は非常に鋭い質問で僕は主にアメリカ側からやりとりをしていますけれど、その感じで言うとおっしゃる通りなのだと思います。これは今回のやりとりだけではなくて、一貫して、これまで電話では、公式の場合は十数回ですか、やりとりをしている、首脳会談も5回行われていることになりますから、その中で当然のことながら第3国のことについてはほとんど外交当局は、一般的にそうなのですけれども、発表しないということになりますけれど、アメリカ側も日本側もより詳しい記録がありますよね。その場で聞いている人達がいる、そういう人達の話を総合しますと相当厳しく、文在寅大統領の地位について大統領はそれを安倍さんに言うと、安倍さんも、文在寅大統領と電話会談をしていますから、安倍総理からもそのことは厳しく言ってほしいというようなことがあって。実はそのあとトランプ大統領は、本当に言ってくれたのかどうかと言うために、また電話がかかってくる、あんなに電話がかかってくるのは、実はそれが最大の理由の1つと」反町キャスター「なるほど」手嶋氏「ここは情報源が関わっているので、ギリギリのところを反町さんに申し上げているのですけれども」反町キャスター「では、もう…」手嶋氏「もうこれ以上は聞かないでいただきたいのですけれども、おっしゃる通りと、つい僕は正直なので言ってしまうのですけれども」反町キャスター「ありがとうございました」櫻井氏「文在寅さんは、北朝鮮と戦いたくないというのはもう明らかですよね」反町キャスター「はい」櫻井氏「だけれども、アメリカにしてみたら絶対に北朝鮮を核保有国としては認めないと、北朝鮮の核は許さないのだと、ICBM(大陸間弾道ミサイル)も許さないのだ、これはもう極めて明確なわけですね。だから、アメリカとしては北朝鮮から核を除去するために、どういった方法があるだろうかと現在一生懸命考えている。だから、それが1つの軍事紛争であるか、それとも中国なども一緒になって、石油まで締め上げて、どうにもこうにもならないところまで追いつめるのか。追いつめて、安倍総理は、北朝鮮が政策を変えるから、だから、どうにかしてくれと言って頼みにくる、そのチャンスを狙って拉致も解決したいと、いろいろな国がいろいろなことを考えているわけですね。その中でどうにも緩いのが文在寅さんだけですよ。何をしたいのかがわからない。自分が何をすればいいのかがわからない。韓国を守るという気持ちがあるのかも、彼自身がはっきりしていないと思いますよ。ですから、こうやっていくとドンドン、ドンドン、各国々は自分の国の国益、自分の国の国民を守るために一生懸命やっている時に、韓国のいき場がなくなるんですよ。こういうのは国際社会では、irrelevantになる、もう関係なくなっちゃうと。朝鮮半島の南半分であるにも関わらず北朝鮮の核を除去するために韓国が何をするのか。本当は、たとえば、ソビエトの中距離核ミサイルに対して、ドイツに、アメリカが中距離核ミサイルをドイツの依頼で配備したということがありました、1970年代の終わりに」反町キャスター「ありました」櫻井氏「それと同じように、核をなくすためには、両方が核を持つというのが1つの力のバランスから言ったやり方ですよ。韓国も核を持つ」反町キャスター「なるほど」櫻井氏「お互いにこれは危ないからやめようねということで核をお互いにやめる。でも、韓国にはその気持ちがないし、北朝鮮もそれに応じないでしょう。とするとこの道はないわけですね。すると、韓国以外の国が、アメリカかもしれない、中国かもしれない、どこかが北朝鮮の核を取り除かなければいけないというステージに上がってしまうわけです。軍事侵攻みたいなものがあり得るとしても、韓国軍が戦わないとなれば、もっとirrelevantに、もっと無関係な存在になってしまうというところですね。だから、米韓のその立場の違いがすごくはっきり出ましたね」反町キャスター「櫻井さんの中では既に韓国は…」櫻井氏「はい」反町キャスター「irrelevant?要するに、もう関係がない存在になっちゃっているのですか?頭の中は、櫻井さん的に言うと…」櫻井氏「いや…」反町キャスター「半島有事に対し、この国は関われない国だという感じで見ています?」櫻井氏「主体的に関わることができないですね。だって、文在寅さんはやる気が、そういう意味では、話し合いということをずっと言っていますでしょう。でも、安倍さんが、この去年の9月に国連で北朝鮮問題を演説しましたけども、あそこで安倍さんがおっしゃったのは、この20年間、94年ぐらいからですけども、北朝鮮と関わった国々の全てが皆、騙されてきたわけですよ。そうでしょう?」反町キャスター「はい」櫻井氏「だって、最初はプルトニウムをどうするとか、その次は核をどうするとか、皆、騙され、その間に重油を与えたり、お金を与えたり、軽水炉をつくりましょうと約束したりということで、皆、騙されてきて。これ以上、何十年も交渉してきたのに、これ以上、交渉してもおそらくどこにも到達しない、だから、現在は話し合いよりも圧力だ、圧力ということは軍事的な圧力もあるし、経済的圧力もある、全部の圧力なのだということを言っているわけですね。その圧力を文在寅さんはかけようとしない、過去20年間の北朝鮮をめぐるこの外交交渉の、こちら側の失敗にちっとも学ばない。なぜならば、彼の心は半分以上、向こう側にあるからだとしか思えないですね。このような大統領を戴いている韓国が、この北朝鮮問題の解決に関われるはずがないと思いませんか?」



 『米中首脳会談』の展望
 
秋元キャスター「明日からトランプ大統領は2泊3日で中国を訪問して、習近平主席との米中首脳会談も控えているわけなのですが、手嶋さん、今回の米中首脳会談、何に最も注目されますか?」手嶋氏「安倍総理が大変親しい盟友であると、このことは世界に知られていると。トランプ大統領にとって。ところが、同時に、トランプ大統領は非常に気がかりな発言をしていて、習近平国家主席とも自分は大変に親しくて、盟友だと言っていますよね。しかし、その中国は力で海洋に進出してきている。尖閣諸島も我が領土だと言っているということになりますから。これは日米安保条約の文脈から見るとまさに諸所に大きな問題を抱えている。その習近平さんとどんなやりとりをするのか、それに対して中国側は現在、経済的に日の出の勢いということになりますから、大変多くの買い物リストを、それはテーブルの上で出してくるかどうかはわかりませんけれども、用意をしていると。それはアメリカ・ファーストを掲げるトランプ大統領にとってはアメリカ国内のプア・ホワイトと言われる、所得の低い貧しい白人層、この人達がまさにトランプ政権を誕生させたということになりますから、それへのお土産にもなるということになります。従って、これは二重、三重に錯綜した情勢の中で、さて、どんな首脳会談に臨むのか、このことは日本にとってとても重要だと思います」反町キャスター「それは北朝鮮に対しての米中連携とか、そういうレベルの話ではない、もう2大スーパーパワー同士のガチンコのせめぎ合いだと?」手嶋氏「本質的にはまさにそうなのですけれども。ただ、今回トランプ大統領としては、一部、中国に譲るような局面があるかもしれないという時に、大義名分も必要ですよね。それは北朝鮮の核・ミサイル問題に対応して、中国の役割は非常に重要だ、かつての4月の、一連の米中首脳会談でも大きなテーマになったということになりますから。それは、北朝鮮問題というのはトランプ大統領にとって中国と一部妥協したりするという材料にもなりかねないと思います。しかし、安倍総理自らが言っているのですけど、北朝鮮の核・ミサイル問題は短期では確かに大きな問題だ、しかし、中長期では力を背景にした中国の海洋進出というのはさらにもっと大きな問題だということで、トランプ大統領にそれを説得し、その大きな文脈の中で、まさに『開かれて自由なインド太平洋』という構想が出てきたということになりましたよね。従って、中長期で大変重要な問題、まさに日本の命運を担うような問題がそこにもあるということになりますから、北朝鮮問題だけに目を奪われることなく、全体としてどんな会談がなされるのかということは大変大きい問題だと再度申し上げたいと思います」反町キャスター「櫻井さん、いかがですか?」櫻井氏「中国は満を持してトランプさんを待っているわけですよ。だって、10月の第19回共産党大会で、習近平さんが3時間20分にわたる長い長い演説をしましたね。あれを読んでみて、ああ、なるほど、これが中国、習近平さんが目指している、これからの何十年間のことなのだと。そこは、2049年、中国、現在の人民共和国建国100年ですよね、その時までには中国は世界の諸民族の上にそびえ立つ存在になると、軍事的にはこれまで見たことのないような強い国になって、経済も本当に先進国の豊かな経済を国民1人1人に実現していますと。その中で、世界の諸民族はどのようにすべきかと、ザクロの中の、ザクロとは果物の、ザクロの中に実がずっしり…」反町キャスター「ツブツブがいっぱい入っている」櫻井氏「それが硬い実に覆われて、諸民族はこのザクロの中の実のようになるものだと書いてあるんですよ」反町キャスター「ほう…」櫻井氏「中国の優れた文化、そのような影響が世界中に受け入れられて、中国は各教育とか、力を入れていくのだと、この中国の価値観というものは、国の内外において非常に浸透していきたい。たとえば、国内においては、党、政治、軍、民間の社会、教育、地理的には東西南北プラス中心です、東西南北中、ここに共産党の指導が全部いきわたるようにすると言うんですね。その中で、中国は世界に影響を与えていくと。これはまさに、本当に21世紀の中華大帝国主義ですよ。そのような構想を描いていて具体的な軍事力とか、経済力、これは一帯一路とかやっていますね。その中で…の、彼は自分の10年に留まらず、20年でも、25年でも、30年でも、毛沢東さんと同じくらい長い独裁政権体制をつくったわけでしょう。そこにトランプさんをお迎えするわけですね。トランプさんの今回の1番大きな目的というのはまず北朝鮮問題、これは核とミサイルですね。もう1つはアメリカ・ファーストですから、アメリカの対中赤字、これはアメリカの貿易赤字の約半分ですよ、40兆円ぐらいあるわけです。これをなんとか解消したい、フェアなものにしたい。中国にとってみれば一時的にこれを解消することは安い買い物です、むしろトランプさんの気持ちを中国側に、親中的に変えることができれば。それでなくても、10月にキッシンジャーさんがホワイトハウスに呼ばれていますよね」反町キャスター「はい」櫻井氏「キッシンジャーさんは、名うての親中派ですよね。キッシンジャーさんが8月の11日でしたか、新聞に発表した記事がありますけれど、そこは繰り返し、繰り返し、アメリカと中国は力を合わせるべきなのだ、北朝鮮に対して軍事行動をとってはならないと、アメリカと中国が力を合わせ、これを上手に抑えるべきだということで、すごく中国に気を遣っているんですね」反町キャスター「なるほど」櫻井氏「この名うての親中派のキッシンジャーさんがこの1年間、何度かトランプさん、もしくはトランプファミリーに会って、彼の考え方をその伝えていますよね。時にはトランプさんの事実上の使者となって、中国に行って、習近平さん達にも会っているわけですね。ですから、私は、トランプさんに対するキッシンジャーさんの影響がどこまであるかはわかりませんけれども、そういったこともあって、もしかしてアメリカ・ファーストという比較的短期的な視点に立ったトランプさんが非常に長期的な視点に立った習近平さんの戦略の中にとり込まれるようなことがあっては本当に大変だと思っています」反町キャスター「中間選挙が来年、ありますよね?トランプ大統領、とりあえず30%台にまで落ちた支持率をなんとか上げたい、そう考えると、たとえば、中国が、例によってボーイングを300機買いますよみたいなことを言われた時、まさに短期と長期で言ったらコロッといって、どうなるかわからないのですけれども、中国の手のひらに乗ってしまうリスク、かなり高いのではないかと、話を聞いていて思ったのですけれど、いかがですか?」櫻井氏「かなり高いかどうかはわかりませんけれど、そのリスクは否定できないと思いますね。現在、私達はアメリカがかなり変わってきたということを、すごく深刻に受け止めなければいけないのは、大東亜戦争のあと、アメリカは本当に事実上、世界の超大国になっていくわけでしょう。これも第1次世界大戦の時にイギリスとアメリカが立場を徐々に変えていって、アメリカが大国への道を歩み始めて、あの第2次世界大戦の勝利で決定的になったと思うのですけれども。その時になぜアメリカが世界の超大国になり得たのか?その後の冷戦をなぜアメリカが勝ち抜き得たのかというのは、まず大戦略があったということですよ」反町キャスター「なるほど」櫻井氏「この大戦略を支えるものが、私達が是とする価値観であったということですよ。それは民主主義であったり、人権であったり、自由であったり、自由経済であったりとか、私達が現在、とても大事だね、中国はこれを持っていないねというような価値観で、アメリカはもちろん、欠点のたくさんある国ですけれども、それでも世界を引っ張ってきた、大戦略と価値観ですね。でも、現在この2つがアメリカにとってみるとちょっと揺らいでいるとしか思えない。まず大戦略があるのだろうかと当然考えますね。ティラーソンさんが、あれはウォール・ストリート・ジャーナルですか、どこかの記事に書いておられたと思うのですけれど、自分はビジネスをやってきた関係で、しかも、石油のビジネスだから、10年、20年の長期スパンで考えると。大統領は極めて短期の視点で考えると言っているんですね。こんなことを言うから時々このお二方の間にいろいろな摩擦が起きるのでしょうけれど。でも、その言葉を聞きながら、記事を読みながら、なるほど、ティラーソンさんはご自分の視点を、10年、20年で捉えて、これを長期視点と言う、これは確かに長期ですけれども、でも、中国は50年、100年だということをパッと感じたんですね。これはアメリカ、本当に注意しないと、してやられるかもしれないという、ある種の懸念を抱かざるを得ないですよね」手嶋氏「櫻井さんから短期的な視点に立つ、現在のトランプ政権、長期の構想に立つ習近平政権というお話があった、確かにそうですね。しかも、制度上もそれを裏づけることができますよね。つまり、4年ごとに大統領を選ぶ選挙をしている民主主義の国・アメリカに対して中国は1党独裁ということになりますから、この点で中国に少しアドバンテージ、有利なところがあるのかもしれません。しかし、一方で、最も重要な、アメリカにとって最大の力というのは軍事力に留まらないと思います。もちろん、基軸通貨ドルの話もありますけれども、それを超えて、櫻井さん、これをいみじくも指摘をされましたけれども、理念、自由や民主主義という価値観をと言うことになるのだと思います。確かにその通りで、ご指摘はあまり日本のメディアでは言われないのですけれども、とても重要だと思います。僕は、レーガン大統領の時に、ワシントンに特派員として行ったのですけれども、大変苦労しました。それは当時、日本のメディアはレーガン大統領というのは俳優あがりのというふうに、ちゃんとした教育も受けていないかもしれないというふうに明らかに見下げていて、東部エスタブリッシュメントと言われるアメリカのメディアもそうでした。それを、そういう常識というか、一種の偏見というのを乗り越えて、この政権を理解するのに大変に苦労しました。しかし、翻って見ると、レーガン大統領というのは、アメリカの民主主義というものに対しておそらくどの政治家よりも揺るぎない自信を持っているということになりますよね。しかも、民主主義の理念というのはあらゆるところでちゃんと適用する。日本の強制収容というものに対して初めて明確に謝罪をしたのも…」反町キャスター「あぁ、そうですね…」手嶋氏「あのレーガン大統領の演説というのは最も感動的なものでもありましたので。そういうレーガン大統領の姿勢ゆえに、冷戦で、軍事力で相手を、つまり、伝家の宝刀を抜いて打ち負かしたのではなくて、アメリカの理念が勝利をしたということになりますよね。現在、このレーガン大統領と同じ共和党のトランプ大統領ということになりますから、トランプ大統領は現在、大変いろいろな問題を抱えているのですけれど、そのことに思いを至して、アメリカという国の最大の武器は理念、自由とか、民主主義だ、それを背景にして中国に乗り込んでいってほしいと思います」反町キャスター「それは、でも、理念、自由とか、民主主義というものを掲げて、それを守るために世界の警察官だったアメリカが世界の警察官を辞めるよと言っていますよね。旗を掲げるだけで、これまでと同じようなリーダーシップをアメリカがまだ持ち続ける?」手嶋氏「アメリカ単独では無理ですね。従って、自由で開かれたインド、太平洋という構想の中で、有力な関係国、これは例の新興の大国・インドもいますし、オーストラリアも、日本もいる。その人達は同じ民主主義という理念によって結ばれている。ASEAN各国の多くの国もそうであるという点で。確かに現在、中国は日の出の勢いですし、つい先頃も中国に行ってきましたけれども、2010年以前の中国人と同じ人であるのかということが疑問なほど、圧倒的な自信を持っているということになりますよね。それが、揺るぎない自信を持って、軍事力を持ち始めているということになりますから。そういう中国に相対して、中国の、そういう力に頼った外交戦略というものをあらためさせるというのは大変難しい世界の責務ですけれども、決して諦めてはいけない」反町キャスター「その件に関して日米共同会見でこういう話が出ています。『海洋秩序の維持は、地域にとって死活的に重要。日米は自由で開かれたインド・太平洋への指針に向けた協力強化で一致した』。これは昨日の会見ではこういう話ですけれども、もともと安倍総理が、TICAD(アフリカ開発会議)で言われたようなところで、南シナ海、太平洋、インド洋、さらにはその先の中東の一部まで至るような経済的な連携、ないしは安全保障上の連携みたいなものを日米主導でアジアからインド洋、アフリカ一部にかけてまでやろうかという、この趣旨の発言だと思うのですけれども」手嶋氏「そうですね」反町キャスター「この考え方というのは、中国の一帯一路とか、海のシルクロードに対する対抗策として見るのか、そこをどう見るのか?」手嶋氏「そういうような指摘はあるのですけれども、これは『自由と繁栄の弧』、現在、日本版NSC(国家安全保障会議)を率いている谷内正太郎さんが提唱し、それを踏まえてということなのですけれど。『自由と繁栄の弧』から新しい『自由で開かれたインド太平洋構想』に至るまでについては戦後の日本外交がこうした構想を提示するというのは極めて稀なことです。しかも、肝心の外務省の中からも強い批判が、つまり、イデオロギーとか、そのように傾いた構想はいかがなものかという明確な批判も聞かれるということになるのですけれど。しかし、僕はちゃんと新しい構想は出していくべき。しかし、現在ご指摘がありましたように、やや、中国の一帯一路、海洋強国というものを受けて立っている側面もなしとしないと。どんな形でどう進めていくのか、グランドデザインのような大まかなものはありますけれども、さらに個々の形で具体的、国際社会を納得させるような具体的な構想がどう出てくるのかと、ここが勝負どころだと思います」反町キャスター「いかがですか?」櫻井氏「気持ちのうえでは、一帯一路に対抗するものですよ。だけれども、現実を見ると、アジアの国々、アフリカを含めてですけれども、明確に対中国の枠組みだと言ったら、入らないですよ。だって、怖いですからね」反町キャスター「そうですね」櫻井氏「ですから、これは現実的ではないわけですね。でも、重なる形でつくりますよね、だって、同じ地域ですから。だけれども、こちら側は日本・アメリカ・豪州・インド、これは民主主義の4つのスターですよ。ここで一緒にやりましょうと、価値観も同じですねということです。日本もアメリカも、AIIB(アジアインフラ投資銀行)とか、それから、一帯一路に関心を形のうえで示していますね。これは本当に関心があるのではなく、全然関わらなかったら、中国に好きなようにされてしまうから、関心を持って、ある意味ではチェックしていきましょうというのが、その精神だと思うんです。ですから、アメリカと日本が本当に真剣になって、オーストラリアやインドを巻き込んで、本当はここに韓国も入れたいのですけれども、なかなかそこがうまくいかないというのがありますね。でも、いわゆるダイヤモンドの形ですよね、を基本にして、日本が本当に日本ふうのすごくいい援助の仕方、それから、融資の仕方、いろいろなインフラのつくり方、中国がつくった道路は3年すればもうメチャクチャですけれど、日本がつくったものはずっと保つんですね、橋もそう、学校もそう、建物もそう、車も、列車も、皆そうです。ですから、日本のそういったいいところをきちんと実施しながら、インド太平洋地域の連携をやっていけばいいと思うんです」



 ジャーナリスト 櫻井よしこ氏の提言 『荒きは強きにあらず』
 
櫻井氏「荒きは強きにあらずというので。これは『武士道』を書いた新渡戸稲造さんの言葉です。荒々しいことが強いことではないのであって、日本は強さも持っているけれど、日本文明は非常に穏やかですよ、誠実ですよ。だから、そういった力をこれから発揮して、中国とは全然違います、アメリカとも違います、これが日本の貢献の仕方ですということで、それこそこのインド太平洋地域でリーダーシップをとるような心構えを持ったらいいと思います」



 外交ジャーナリスト 手嶋龍一氏の提言 『日米は理念の大国たれ』
 
手嶋氏「太平洋を挟む同盟国である日本とアメリカは、海洋強国・中国にはないような民主主義と、開かれた言論、自由な言論を持つ理念の大国であり続けてほしいと。それが世界に大きな影響力を与えるような、そういう存在に共になってほしいと思っています」