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★東京都の重症者病床使用率、大阪を下回る 正確なデータを公表せず(楊井人文より)


 東京都が新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れるための病床を、都内で約400確保し、5月18日現在の重症者の病床使用率は13%にまで低下し、大幅な休業要請緩和に踏み切った大阪府(19%)を下回っていたことがわかった。大阪府が5月初めに出口戦略の「大阪モデル」として設定した休業要請解除の一つである「重症者病床使用率 60%未満」という基準も、東京都は大きく下回っていることになる。


 18日夜、都福祉保健局の感染症対策課長が筆者の取材に対し、公表されていない重症者病床の確保数を明らかにした。公表していない理由については「国から報告を求められていなかったため」と釈明。一方、大型連休明けの5月11日まで都が発表していた入院者数は実際より大きく上回り、正確でなかったことも認めた。


(追記)厚生労働省は19日、重症者病床数を発表した。


(既報)【新型コロナ】入院患者が4割減少 東京都の病床使用率も50%以下に改善(2020/5/17)


政府方針の「医療提供体制の情報提供」は未実現
 政府は基本的対処方針(14日改定)で、緊急事態宣言の解除の判断要素の一つに「重症者が増えた場合に十分に対応できる医療提供体制が整えられているか」を明記。「医療提供体制及び検査体制に関するわかりやすい形での情報の提供」を行うとしている。しかし、実際に医療提供体制がひっ迫しているかどうかを表す客観的な指標がいまだに公表されず、メディアの誤報を招く実態が浮き彫りとなっている。


YouTubeで東京都の感染状況などを説明する小池百合子都知事(5月18日、筆者撮影)
 都は特設サイトで日々の感染者の状況を発表しており、5月11日まで「陽性者数」を「入院中」「死亡」「退院(療養期間経過を含む)」に大別して人数を発表していた。


 ところが、都福祉保健局の感染症対策課長によると、「入院中」にはホテルや自宅で療養している軽症者や未把握の退院者も含まれていたという。確かに、「入院中」は「入院調整中・宿泊療養に移行した方を含む」「退院者数の把握には一定の期間を要しており、確認次第数値を更新している」との注意書きが掲載されていた。


筆者作成
 同課長によると、個別の精査を行った結果、5月12日からようやく正確な数字を発表できる態勢になったというが、それまでは実態と異なる数字を発表していたことになる。同課長は取材に対し「退院者の把握などに時間がかかった。何も発表しないよりいいだろうということで(不正確なデータを)発表していた」と話した。


 たとえば、緊急事態宣言延長前の5月6日は「2974人」が「入院中」と発表していたが、実際はその約半分の「1511人」であったことが判明。都は12日ごろ厚労省に修正報告し、厚労省が16日、正確な数値を発表した(詳しくは、既報参照)。


 だが、NHKは12日時点で東京都だけが依然、医療提供体制がひっ迫しているかのように報じていた(現在も未訂正)。政府の専門家会議も、宣言延長決定直前の5月4日の見解で、依然として「入院患者を引き受ける医療機関への負荷は現状でもぎりぎりの状況にある」との認識を示していた。


 東京都は5月1日までに、軽症者を受け入れるホテルを約2800室確保しており、医療提供体制は大きく改善していた可能性がある。だが、政府の専門家会議も、病床のひっ迫状況について正確な情報を把握できていなかったとみられる。


 この問題について、厚生労働省の健康局結核感染症課の課長補佐は取材に対し「東京都から間違った報告がなされていたことは大変残念」とコメント。重症者病床の確保数についても、これまで各都道府県に報告を求めていなかったことを認める一方、「現在調査し、取りまとめ中」であることを明らかにした。