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★産経ニュース 政治記者座談会GWバージョン、「ちょっと待て そのファーストは 元民進」ほか


◆「ちょっと待て そのファーストは 元民進」 避けられない?東京都議選後の民進党「蓮舫降ろし」の動き◆


 デスク「みんなに集まってもらったのはほかでもない。WEB担当のS編集長から『好評だった新春記者座談会の第二弾をやってくれ』と指示が…」


 キャップA「ゴールデンウイークまっただ中ですよ!なんで安請け合いするかなあ」


 デスク「…。でも、東京都議選(7月2日投開票)まで2カ月を切ったし、永田町もいろいろと動きが活発になっている。関心が高いし、まず、その辺をざっくばらんに…」


 キャップA「まあ、都議選の焦点は蓮舫代表率いる民進党でしょうね」


 キャップB「民進党は都議選で5議席以下に激減するといわれている。4月30日、民進党会派『東京改革議員団』の前幹事長が離党し、党公認候補36人のうち14人が離党した。蓮舫氏は『選挙の顔』と期待されて代表になったのだし、東京が地盤だし、普通なら『蓮舫降ろし』の矢面に立たされるはずだけどね」


 記者C「そう、そう。離党ドミノがとまらず都議会で議席がゼロになった社民党(旧社会党)と同じ末路をたどりそうだね。民進党の長島昭久衆院議員の離党も蓮舫執行部にしてみれば痛恨だった。党の都連幹事長が敵前逃亡するなんてあり得ない」


 キャップA「確かに民進党と社民党は共通点が多い。女性党首の起用、党名変更…いろいろと党勢回復を図ったが、むしろ退潮傾向に拍車をかけてしまった。党首落選という悲劇も同じだし。現時点の違いは党本部移転しているか、どうかぐらいだ」


 デスク「随分と民進党に厳しいねぇ」


 記者D「ちょっと待て!」


 デスク「ど、どうした?」
 
記者D「あの、平成24年の衆院選のときに流行した川柳を思い出して…。『ちょっと待て その候補者は 元民主』。小池百合子知事が事実上率いる『都民ファーストの会』に民進党候補者が移る離党ドミノがとまらない。いまは『ちょっと待て そのファーストは 元民進』だろう」


 記者G「ははは。確かに24年の『近いうち解散』の頃は民主党政権への失望感が蔓延していて、少しでも逆風から逃げようと民主党議員の離党が相次いだ。確かに今もその時と同じ感じがする」


 記者D「自民党からも『都議選で民進党が数議席になったら旧維新の党系を中心に蓮舫降ろしの動きが強まるはずだ』という声を聞く」


 記者E「逆に『蓮舫代表は同性に嫌われているから蓮舫態勢が続いた方がやりやすい』という見方もある。代表代行を辞任した細野豪志氏のように『執行部は改憲に消極的だ』と内部批判する人が増えれば『憲法改正の機運が高まる』とも」


 デスク「おいおい。自民党はそんな余裕があるのか」


 記者F「自民党都連会長の下村博文幹事長代行は最近、ノリノリですね。小池氏に対して『敵ではない』と言いながらも、都民ファーストは『烏合の衆』などと批判する」


 キャップB「ノリノリの対決姿勢が裏目に出て自民党ではちょっと浮いた存在になっているとも聞くけど」


 デスク「どんなふうに?」
 
記者C「象徴的なのが、下村氏のお膝元の板橋区選挙区でしょうか。都民ファーストが擁立する平慶翔氏は女優の平愛梨さんの弟で下村氏の元秘書。自民党が公認する現職都議2人も下村氏の元秘書。下村氏は『怨念の戦い』とか言い出し、身内から総スカンを食らっている。『元秘書が相手陣営から出馬するだけでも恥ずかしいのに、自分であおってどうするんだ!』と」


 キャップA「自民党では早くも『責任論』がくすぶり始めた。自民党はどう頑張っても現有58議席を下回る。何しろ4年前の前回は全員当選だから。それでも下村氏は張り切っている」


 記者D「二階俊博幹事長は新進党、保守党などで小池氏と行動をともにしてきたから、今も関係は悪くない。安倍晋三首相もそこまで小池氏を嫌っているとは聞かない。2020年の東京五輪・パラリンピックの成功を考えたら首相と都知事がケンカをするわけにはいかない。そういう『大人の事情』から『表は対決。裏で円満』といきたいのでしょう」


 デスク「選挙は裏と表を使い分けるほど簡単じゃないよ」


 キャップA「自民党は党本部として各派閥に協力を呼び掛け、都議選の各選挙区を担当する国会議員を決めた。参院も独自の選挙対策本部を立ち上げた。こんな挙党態勢で臨む都議選は初めて。だから『負けたら二階幹事長の責任』という話が出ている」


 記者F「小池氏の都政運営で『都議会自民党=反小池氏の野党』というイメージがついた。それを払拭する狙いがあるのか、築地市場の移転問題で移転を先延ばしする小池氏を『税金の無駄遣いだ』と批判している。インターネット上で小池氏への風当たりが強くなっていることに自信を得ている感じもする」


記者D「自民党は公約の骨子に豊洲への早期移転を掲げているけど、小池氏が移転を決断したら選挙の争点ではなくなる。あまり前面に打ち出さない方がいいのではないかなな」


 デスク「自民党も大変なんだ。やっぱり台風の目は小池氏か」


 記者F「自民党は昨年夏の都知事選の反省がない。石原慎太郎元知事が小池氏を『大年増の厚化粧』と批判し、石原氏の長男で前都連会長の石原伸晃経済再生担当相も『小池氏は自民党の人間ではない』と切り捨てた。小池氏はそうした発言を逆手に取って自身の支持を固めていった。どれほど『小池氏は敵ではない』と言ってみても、うまいやり方とはいえない」


 キャップA「とにかく、このまま行けば都民ファーストは躍進するだろう」


 デスク「そうなると都議選後は、自民党の責任論以上に、民進党の蓮舫降ろしが活発になるかな」


 キャップB「蓮舫氏と距離を置くベテラン議員は『恐らく蓮舫氏は居座る』とみている。『党全体に勢いがないから、代表リコール規定を満たす勢力が集まらず蓮舫体制は続く』と」


 記者G「でも求心力はさらに低下する」


 キャップA「求心力ってまだあったの? そもそも蓮舫氏を降ろす覚悟が民進党にあるのかだ」


 キャップB「党の『顔』になれる人材がいないからね。男性執行部はみんな新鮮味がない。“女性枠”で山尾志桜里前政調会長という声もあるけど、キンキンと甲高い声を上げるだけで対案が出せない、党内根回しができない。蓮舫氏と重なってみえる」



記者F「確かに党内は『都議選後も蓮舫代表』という雰囲気だ。松原仁都連会長が引責辞任して幕引きを図るのだろう。でも、都議選の直後ではなく、次期衆院選までのどこかのタイミングで代表から退くのではないかな」


 デスク「さっきEも言っていたけど、蓮舫氏の居座りは、自民党の望むところ」


 キャップA「安倍首相は早期解散を見送ったけれど、相手が蓮舫氏率いる民進党なら、いつ解散しても勝てると踏んでいるのではないか」


 キャップB「民進党の政党支持率は6%台と低迷の極みにある。安倍首相が憲法改正を仕掛ければ、民進党はかなり揺さぶられる。改憲積極派と護憲派がほぼ半数ずつ。蓮舫氏は共産党との選挙協力を意識しているし、改憲論議が進めば党分裂の危機を迎える可能性はある」


 デスク「ずばり聞く。蓮舫降ろしの確立は」


 記者D「都議選後に70%」


 デスク「おっ、意外と高いね」


 記者C「都議選敗北の場合、普通なら辞任だけど、いまさら泥舟の民進党の代表になりたがる人がいるかどうか」


 記者F「前原誠司元外相はやる気満々だ。次期衆院選に向けた政策もあたためているらしい。『蓮舫氏にパクられるから誰にも言わない』とか。“言うだけ番長”に終わらなければいいけど…」


 記者C「自分は都議選後は0%とみている」


 デスク「責任論も出ない?」


 記者C「当然、大敗すれば責任論は出る。ただ地方選挙の敗北で国政政党の代表が辞任するという前例を作ることへの抵抗がある。閣僚経験者は『9月ごろに自主的に辞めるようにもっていく』と話していた。だから都議選直後はないでしょう」


 記者E「まあ、ただでさえ足の引っ張り合いばかりしている民進党の風土では、蓮舫氏の次に誰が代表になってもダメっぷりは変わらない」


 記者F「前原代表でも共産党との共闘路線は大枠では変わらない。小沢一郎代表の自由党とも手を組むだろう」


 記者G「党の表紙を替えても中身は刷新されそうにないということか。蓮舫降ろしは遺恨が遺恨を引き起こす、まさに『負の連鎖』でしかないな」


 記者F「中堅・若手の玉木雄一郎氏や緒方林太郎氏、柚木道義氏、後藤祐一氏らをみても、民進党らしさを引き継いでいる。何でも反対だからね」


 デスク「厳しいねえ」


 キャップB「そもそも、こうした惨状を招いたのは蓮舫氏自身にほかならない。日本国籍と台湾籍の『二重国籍』問題で国民が納得する説明を当時もしなかったし、今もしていない。閣僚らが不用意な言動で辞任して、『辞めて済む話ではない』といくら安倍政権を揺さぶっても、説得力がない」


 デスク「話を聞いていると、民進党壊滅の序章に聞こえる。では、野党再編は加速するかな」


 キャップB「長島氏が民進党を離れたことで野党再編が加速するとの見方もあるようだが、日米安保条約廃棄と自衛隊解消を党綱領で訴えている共産党との共闘は無理がある。でも、そんなことは昨年の参院選のときから分かっていたことで、長島氏の決断も『今さら』という感じだ」



キャップA「平成27年の安保関連法案審議のときから、旧民主党と共産党が共闘していることは『野合』だと書いてきたが、民進党はまだ共産党に引きずられている。自民党打倒を目指すとしても、共産党と手を結ぶ選択肢があることが不思議でならない。『あなたたちは共産党と同じなんですね』と思われたらマイナスだと思わないのかな。ぜひ産経新聞政治部が昨年出版した『日本共産党研究』(産経新聞出版)を読んで勉強してほしいね(笑)」


 記者E「長島氏の離党届と細野氏の代表代行辞任に共通しているのは『民共共闘』への忌避感だ。でも、党内に波紋はさほど広がっていない。長島氏に追随する表だった動きはないし、細野氏に至っては『裏切り者』『腰砕け』など、さんざんな評価がある」


 キャップA「長島氏は当面、無所属で活動するようだけど、最終的にどうするのでしょう。自民党の選挙区選出議員は飽和状態で、自民党から積極的に勧誘する気配はない。日本維新の会の幹部らと『外交・安全保障戦略を考える会』を発足させても、そもそも維新にも民進党“脱藩組”を取り込んで党を大きくしようという発想はない」


 記者F「迷走する民進党とは対照的に『永遠の野党』の共産党は都議選で一定の議席を確保するだろうから、次期衆院選をにらんだ野党共闘でも共産党の発言力が強まりそうだ」


 記者G「野党共闘は進まないのは明らか。進むとしたら、それは共産党に民進党が乗っ取られたときだ」


 デスク「民進党に明るい展望が乏しいことだけはよく分かったよ」



◆気になる自民党「ポスト安倍」はやっぱりあの人 沈静化している派閥再編の動きもいずれは…◆


 デスク「さて、この春先に自民党の派閥再編に向けた動きが活発化したけれど、その後どうなったかな」


 記者C「9月に予想される内閣改造・自民党役員人事までに麻生派と山東派、そして谷垣グループの一部による新しい派閥が旗揚げするだろう。今は入院中の谷垣禎一前幹事長が消極的だから、谷垣グループは何人かが飛び出すだけだろうが、『ポスト安倍』にらみの派閥再編の動きはとまらないと思う」


 記者G「合流しても有力な『ポスト安倍』候補は見当たらない。合流のメリットは実は少ない。さらに岸田派も加えた『大宏池会』構想はイリュージョンで、現実味は薄い。麻生派会長の麻生太郎副総理兼財務相の関心は派閥再編より、自身が担当している日米経済対話に移っているようだ」


 デスク「見通しが割れたね」


 記者F「最近、動きが沈静化しているのは、そもそも麻生派の勇み足だったからでしょう。甘利明前経済再生担当相ら5人を迎え入れたところまではよかったけれど、さらに拡大を急いだ。それに反発が出た」


 キャップA「谷垣グループは谷垣氏を慕う仲間が作ったグループだ。谷垣氏は野党時代の自民党を総裁として束ねた功労者だ。なのに、政権奪還が視野に入ってきた平成24年9月の総裁選で、谷垣氏は不出馬に追い込まれた。谷垣グループの中核メンバーは当時、古賀派(現岸田派)に在籍していたが、そのとき古賀誠会長(現名誉会長)が担いだのは林芳正参院議員。谷垣氏は古賀派を飛び出し、今に至るわけだ」


 デスク「話が古くなってきたな」


キャップA「まあ、聞いてくださいな。谷垣グループの中核メンバーの大半は平成12年の『加藤の乱』のときに派閥を飛び出したメンバーです。要するに派閥の離合集散には慎重になっている。そして谷垣氏は入院中。主が不在なのに合流話が進んだことに『仁義にもとる』との思いが強く、谷垣氏のシンパが反発しているというわけ。佐藤勉衆院議院運営委員長ら数人は麻生派に合流する見通しだけれど、一筋縄にはいかないでしょう」


 キャップB「谷垣グループから佐藤氏と棚橋泰文衆院議員、あと1、2人が飛び出す見込み。しかし谷垣氏本人は麻生氏からの合流打診を快く思っていないようで、側近には『私が復帰するまで勝手に決断するな』と指示している。6月に行うグループの政治資金パーティーで、谷垣氏は逢沢一郎代表世話人とともに発起人となっており、パーティー費用を負担する意向とも聞く。側近は『これまでグループの運営費など出したことがない人だったのに、よほどグループを残したいのだろう』と話している」


 記者E「5月に麻生氏と山東派会長の山東昭子参院元副議長、そして佐藤氏らが会談する予定だが、山東派も今すぐ合流とはならないと聞く。山東派出身の大島理森衆院議長は合流に慎重だ」


 記者D「注目は山東派が麻生派に事実上吸収合併されるかどうかだ。ポイントはひとつ。麻生氏が平成31年の参院選後の参院議長ポストを山東氏に約束できるかどうか。合流積極派で元領袖の高村正彦副総裁が山東派パーティーで『動きがある』といったのは、後ろ向きの山東氏に対し『参院議長ポストいらないのか?』と半ば脅したものとされている」


記者C「いま山東派出身の大島氏が衆院議長に就いている。高村氏が次期衆院選で引退しなければ、次の衆院議長になる可能性もある。同じ派閥から衆参議長が同時に出ることは常識的にはあり得ないから、高村氏は『自分は議長にならない。麻生派と合流してあなたが議長をやりなさいよ』と言いたかったのだろうね」


 デスク「それぞれ派閥事情があるわけだ」


 記者D「谷垣グループは、合流話の窓口をやっている棚橋氏の評判が悪すぎて、麻生派に合流するのは4人ぐらいになるとされる。もっとも、谷垣氏宛ての麻生氏の合流打診の手紙が表沙汰になったのも大きなマイナスだった。麻生氏が強引に谷垣グループに手を突っ込んだイメージを与えた。麻生氏は筆まめだから、手紙を出すのは珍しくないというが、合流慎重派が態度を硬化させるポーズをとるきっかけになった」


 デスク「老練な麻生氏らしくないミスというわけだ」


 記者F「今さらながら、甘利氏の麻生派入りはインパクトがあった。『昨年の参院選の神奈川選挙区で対立した麻生氏の菅義偉官房長官に対する意趣返し』『麻生氏の事実上の後継指名』などと噂された。甘利氏の『ポスト安倍』候補入りは時間の問題かも。まあ、現状では次期総裁選は安倍首相の3選で決まりでしょう」


 記者E「注目は菅氏だろう。9月といわれる内閣改造で官房長官を離れ、自民党幹事長になれば『菅派』が立ち上がる可能性がある。菅氏は周囲に官房長官はもう長くないようなそぶりをみせている。一方、甘利氏が幹事長になれば麻生派が勢いを増す。そうなれば麻生、菅両氏の間の溝が深まる可能性がある」
 
デスク「いろいろな名前が出たが、『ポスト安倍』の1人とされる岸田派会長の岸田文雄外相が最近おとなしい」


 記者F「岸田氏は4月の派閥60周年パーティーで『他の政策集団とも切磋琢磨し、連携しながら日本の政治のために汗をかいていきたい』と挨拶し、将来的な大宏池会構想をにおわせた。でも、当面は静観の構えで、『こっちから荷崩れしてはいけない』と派閥の結束を優先させている。古賀氏も『意見交換や議論はどんどんしていいが、われわれが前のめりになる必要はない』と話しており、慎重だ」


 記者D「来年の総裁選に関しても、岸田派と麻生派は微妙にスタンスが違う。麻生派は安倍首相をがっちり支えていくと。一方、岸田派は『ポスト安倍』の1人として岸田氏が出馬するかどうか態度を明確にしていない。麻生派、山東派、谷垣グループの一部の合流が進めば、『岸田派は第五派閥に転落する』との数の危機感もある」


 記者G「岸田氏は来年秋の総裁選に出なければ政治家として存在感を失う。安倍首相の総裁3期目が有力視されるが、2位をとって安倍首相の次をアピールすべきだろう」


 デスク「厳しい見方だね。どうなのかな」


 キャップA「岸田氏が将来的な総裁選出馬に意欲があるのは間違いない。でも、来年の総裁選には出ない。その次の平成33年総裁選をにらんでいる。年頭に掲載したが、岸田氏のインタビューは驚いた。唐突に『安倍時代の後はいつか来る。自分がトップに立ったら何ができるか、ポスト安倍について考えてみたい』と言ってきたからね。今年還暦を迎えるにあたっての抱負を聞くインタビューだったし、正直全く期待していなかった。あまり自分をアピールしないのが岸田氏の特徴で、難点でもあるからね」


記者D「岸田派60周年パーティーに駆け付けた安倍首相は『岸田さんにはもっと上を目指してもらいたいが、もうしばらく我慢してもらって、政権を支えてほしい』と本音をのぞかせた」


 キャップA「その岸田氏は4年後の戦略を練っているから、早急な派閥合流には慎重になっている。もちろん麻生派などと合流することは、勢力拡大を図る上で望むところだと思うのだが」


 記者F「岸田氏は禅譲狙いなんですかね。普通は『権力は獲りにいく』ものでは? 岸田氏が何をやりたいのか見えてこない」


 記者C「安倍首相の3選は既定路線でしょ。安倍首相からの禅譲狙いなら来年の出馬は見送りだが、あえて出馬して4年後の総裁選に向けたプレゼンスを高める戦略もありか。岸田派の若手からさえ『本当に岸田さんがポスト安倍だと思う? マスコミがいっているだけでしょ』と、存在感のなさに悲観的な見方もある。内閣改造で外相を外れるかどうかもポイント。岸田氏は難しい選択を迫られる」


 デスク「厳しい評価が多いな。でも名前が挙がるだけでもましか…。そういえばあの人って最近どうしている?」


 記者D「まさか石破茂前地方創生担当相のことですか。テレビにもよく出ているじゃないですか」


 デスク「そうかな?」


 記者D「石破氏は『単なる数合わせに意味があると思っていない』と述べ、政策を軸にした連携ならともかく、数を増やすだけの合従連衡には消極的だ。最近の派閥再編の動きにも一線を画している。そういえば聞こえはいいけれど、実は石破派が勢力拡大に苦労していることの裏返しといえる」


キャップB「石破氏は来年の総裁選に出て安倍首相との対決になるだろうけど、石破派は石破氏を入れて20人。総裁選には20人の推薦が必要だから、すでに足りない。勢力を拡大しなくていいのかな」


 記者D「国会議員の仲間を増やすことは難しいと割り切って、地方票の積み増しを狙っているようだ。実際、安倍首相と争った総裁選では地方票は安倍首相を上回っていた」


 キャップA「来年の総裁選は華々しく負けて、4年後に岸田氏と対決し、勝利するという青写真でも描いているのか。石破、岸田両氏とも若く見えるけど4年後は64歳になっている。うかうかしていたら若手に飛び越されちゃう」


 記者F「石破氏こそ、総裁選に出るために数合わせに汗をかかなければならないのでは? それに、自民党総務会などで積極的に発言しているが、天皇陛下の譲位をめぐる法整備などでも『党内議論が必要』と訴えるだけで、言いっぱなしという印象が強い」


 記者E「非主流派として石破氏が出馬する。推薦人はなんとか確保できるだろう。岸田氏が出なければ、野田聖子元総務会長も出るだろう。いずれにせよ本命が決まっている場合、残りが予想外に得票を伸ばして『自民党には他にも選択肢がある』と示してきた歴史がある。それなりの見どころのある戦いになる」


 記者G「石破、野田両氏は泡まつ候補では。小泉進次郎農林部会長は次の次を狙っていると思う」


 デスク「それにしても伝統ある額賀派は置いてけぼりか」


 記者G「額賀派は凋落の一途でしょ」


記者C「確かに派閥再編の潮流に完全に取り残されている。おまけに、党内第2派閥にもかかわらず有力な『ポスト安倍』が育っていない。不満の矛先は額賀福志郎会長に向いており、『よそは新幹線なのにうちの会長はいまだに鈍行だ』といった声を何度も聞く」


 デスク「かつては『鉄の結束』を誇っていたのにな…」


 記者C「引退しても派閥に影響力のある青木幹雄元参院議員会長らが『初の女性首相に』と推していた小渕優子元経済産業相が政治とカネの問題で辞任したのが響いた。平成33年まで安倍政権が続くことを見越して、派閥副会長の茂木敏充政調会長を『その間に有力候補に押し上げたい』と意気込む幹部もいる」


 デスク「本当に?」


 記者C「他にいない、というのが実情だ。茂木氏本人も意欲はあるようだ。ただ、仕事ぶりへの評価は評価されているが、『下に対して厳し過ぎる』などの声が多い」


 デスク「結局『ポスト安倍は安倍』ということか」


 記者E「正直にいって今の状況では、誰も安倍首相を打ち負かすのは難しい。石破氏にとってのポイントは、次につながる戦い方ができるかどうかだ」


 キャップB「来年の総裁選は安倍首相と石破氏の一騎打ちになるのでは。ただ、石破氏が狙う地方票も、安倍首相が安定した政権運営を続けてきた今となっては、前ほど期待できないはずだ。石破氏の側近たちは『もっと若い議員と飯を食って』と石破氏をたきつけているが、なかなか腰が重いようで…」


デスク「二階氏は早くも安倍首相の3選を支持している」


 記者G「石破氏も岸田氏も『帯に短したすきに長し』。人材がいないんだから仕方ない」


 デスク「それを言っちゃあ、おしまいだ」


 記者F「情けないのは、97人という最大勢力の総裁派閥・細田派ですよ。細田派の西田昌司参院議員が産経新聞のインタビューで、安倍首相に代わる人材は派内に『見当たらない』と言ってはばからないぐらいですから…。数はもちろん大事だが、質も大事。97人のうち33人が衆院1、2回生ですから、次の選挙で勝たせるための指導が大変そうで…」


 デスク「そういえば不倫問題で経済産業政務官を辞任し、自民党を離党した中川俊直衆院議員も細田派の2回生だったな」



◆「オレ様は国会議員だ」という態度の若手抱える自民党は勝てるのか…衆院解散戦略に影 それでも来年秋か◆




 デスク「座談会も佳境に入ってきた。衆院議員の任期は来年12月で満了するけど、衆院解散・総選挙はいつだろうか」


 記者E「完全に来年秋というムード。今年7月の東京都議選で小池百合子都知事が率いる『都民ファーストの会』が圧勝すれば、秋までは勢いが続くでしょうから」


 記者G「うん。来年秋だろう」


 キャップB「『追い込まれ解散』を避けるため今年の秋に解散すべきだとの声もある。来秋でも、今秋でも、民進、共産両党などは一定の候補者調整を進めるだろうが、自民、公明両党の政権基盤を脅かすほど勝つとはとても思えない。経済状況にもよるが、来年の自民党総裁選の前後ではないか」


 記者F「いや。今年12月から来年1月の可能性もある。来年に入ると基本的に追い込まれ解散だ。今秋といわれる内閣改造で大胆な人事ができず、派閥のバランスをとって入閣“待機組”を起用するなら、かなり追い込まれる。だって失言、不祥事がまたぞろ…」


 キャップA「安倍首相は今春、解散に踏み切るべきだったなあ。都議選で自民党が勝てないのは明らかだし、その後、衆院選はなかなかできない。衆院の『一票の格差』是正のための選挙区の区割り改定も今国会で決まる見通しだ。周知期間を経た後の7月ごろからは解散のフリーハンドを得るけれど、区割り変更に伴う選挙区調整はなかなか難しい」


 記者C「確かに定数1減の6県は、いずれも自民党の金城湯池だ。複数の現職議員が減った選挙区を奪い合うことになる。解散が決まれば、『えいや!』で決めることもできるかもしれないが、丁寧に調整しないと地方組織がばらばらになりかねない」


デスク「自民党1強にかげりも出そうだね」


 記者E「チャンスはありますよ。衆参両院の憲法審査会で議論がうまく進めば、来年は衆院選と改憲の国民投票の『ダブル選挙』もあり得る。議論が停滞したままなら、首相はいよいよ憲法改正を掲げて選挙戦に打って出るのではないか。民進党が共産党と一緒になって『安倍政権での憲法改悪は反対』などと言っている限りね」


 記者D「衆院解散は任期満了近くだろう。争点は『安倍政治の信任』と『教育無償化のための憲法改正』。どちらも与党に極めて有利な争点でもある」


 記者C「公明党は都議選とのダブル選挙は否定的だし、都議選が終われば区割りもあるから、幹部は『1年ぐらい選挙はないな』と踏んでいる。都議選で小池氏と選挙協力に踏み切った公明党としては、来年秋なら自民党とのしこりが癒える期間として十分だと考えている」


 記者D「この秋の臨時国会で、例えば自民党、公明党、日本維新の会が『憲法改正は教育無償化で』とまとまれば、首相が『伝家の宝刀』を抜く可能性もあるな」


 デスク「いずれにせよ、自民党の議席増は望めそうにない」


 記者G「解散時期の如何を問わず、自民党は現状で勝ち過ぎている。議席を減らすのは確実だが、できの悪い議員の淘汰は必要なことだろう。あるベテラン議員は『できの悪い自民党議員の何人かと、優秀な民進党議員の1人をトレードできればいいのに』とぼやいていたしね」


 記者C「負け幅が少ないとみれば解散は来年秋の総裁選の前だし、その逆ならば総裁選の後だろう。党本部主導で若手議員の強化をいろいろやっているけど、経済産業政務官を辞任した中川俊直衆院議員ら遊んでいる議員が多いようで、国民から鉄槌を下されかねない」


デスク「『魔の2回生』といわれるが、そんなに自民党の当選2回生はひどいのか」


 記者E「1、2回生の実力不足は本当に深刻。地元から差し替えの要望が出ている候補者もいる。古屋圭司選対委員長のところに『自分の選挙区はこういう事情で厳しいんだ』と言い訳をしに行く議員が何人もいたらしい。そんな時間があれば地元を回ればいいのに…」


 キャップA「確かに安倍首相が早期解散を見送った最大の理由は、若手を中心に議席を大幅に減らすかもしれないという懸念だったと思う。でも解散を先送りしたところで、実態はあまり変わらない。当選1、2回生は本当にどうしようもない人が目立つ。真面目で選挙に強い議員もいるが、日頃の発言、行動をみると『よくもまあ、こんな人たち…』と」


 キャップB「自民党の2回生問題はアキレス腱だ。全体の引き締めの意味も込め、2、3人の公認候補の差し替えはあるだろう」


 記者F「ある若手議員は地元の評判が悪く、後援会長らも辞めたがっている。秘書たちに『地元から支部長交代の嘆願書を党本部に持っていくといい』とアドバイスしておいた」


 デスク「すごいアドバイスだな…」


 キャップA「中川議員には、あきれた。不倫にうつつを抜かすほど国会議員って暇なんだ、と。そして、その給料は税金で払っている。国会議員たる者、24時間、365日、国民のために命をかけて仕事をすべきだと本気で思っている。その覚悟がない人は国会議員になってはいけない。なんで議員辞職しないんだろうか」
 
 記者F「中川氏の所属する細田派は『魔の2回生問題』で認識の甘さを露呈した。週刊誌が不倫問題を報じた4月20日の派閥会合に中川氏は姿を見せなかったが、派閥領袖の細田博之総務会長をはじめ誰も中川氏のことに触れなかった。わずかに会合前の幹部会で塩谷立事務総長が経緯を報告したのみ。この日は中川氏辞任の余波を受けて参院経済産業委員会の審議が流れたのに、派閥会合では『波が高くて流会した』という報告があっただけだった」


 デスク「若手の問題だけではなさそうだ」


 記者F「危機感のなさは際だっていた。離党か議員辞職かと進退窮まった状況でも派閥幹部らは『カネの問題ではない』などと静観する雰囲気だった。4月21日の党役員連絡会で急転直下、離党させる方向にかじを切ったと記憶している」


 記者D「『魔の2回生』問題は深刻。知っているだけでも、委員会の席で秘書を罵倒する女性議員、飲み歩いている男性議員の頭文字をとった『KISS』、先輩議員の女性秘書に手を出してもめた男性議員…。これでは次の衆院選で真面目な2回生議員まで『コイツ、魔の2回生だろ』とひとくくりにされ、有権者から敬遠される可能性がある」


 キャップA「でも、広島4区選出の中川氏は2回とも選挙区で圧勝している。そこが悩ましい。どんなに問題があっても選挙に強ければ公認せざるを得ない。もっとも、次はなかなかそういうわけにはいかないだろうが」


 デスク「なるほど」


キャップA「さらに深刻なのは、選挙に弱く、比例で復活当選したのに、『オレ様は国会議員だ』という態度をとる若手だ。名誉のために名前は伏せるが、ある2回生は初当選した直後、『なんであいつらは私に挨拶に来ないのか』と不満をベテラン議員にぶつけたという。『あいつら』とは自民党と関係の深い地元の団体だったから、ベテランは『そうじゃないだろ。あなたが挨拶に行くんだよ。私に何かできることはありませんか、と』と諭したそうだが、その2回生はポカンとした表情をしていたそうだ。以来、地元との関係がうまくいっていないとか。国会議員である前に社会人としていかがなものかと思う。安倍首相が解散をためらう気持ちがよく分かるな」


 デスク「分かった。今後もさまざまな局面がありそうだ。ぜひ、この大型連休中に英気を養っておいてくれよ」


 一同「連休中に座談会を開くのはいかがなものですかね(笑)」